難しくなっている海外移住問題と免許のないガイド行為は違反だということ

ピアノとヴァイオリン

今日のお題に全く関係ない写真です。有名なウィーンのお菓子屋さん、オーバーラのクリスマス・シュトレン。本当に美味しいです。オススメです!!!

今日、X(旧Twitter)でも書きましたが、ウィーン国立音楽大学のPostgradualeの授業料がとんでもなく高い事になっていて驚きです。これは音大・大学院を経てもまだ勉強したい、という人たちのための特別科みたいなものです。
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これら、1ゼメスタ(半年)だけの料金ですからね。
ヴァイオリンを例にあげると€ 3,360、日本円にすると約547000円。日本の音大に比べれば安いし、日本の留学生、特にヴァイオリン・ピアノは裕福なご家庭が多いのでそんなに大変じゃないのかもしれませんが、他の国の人達にしてみれば、もう絶対に無理、自分の国に帰ってね、と言われているようなものです。
ほぼ、主科のレッスンのみになると思うので、レッスン代一回、って計算するとちょっと高すぎません?と思います。

マスターを終えてすぐにここに席を置けば、まあ大丈夫だとは思いますが、Postgradualeから留学しようとすると多分、滞在許可を取るにもグレーゾーンでそんな簡単に取得できない感じです。

しかし年々「外国人が滞在する」ということが困難になっている気がします。

知人がレストランのスタッフを募集していますが、労働許可のない人は雇えないのでこれまた大変だそうです。
雇える可能性があるのは、現地の人と結婚している人や正規の大学生のみ。ワーキングホリデイの人は1年しか滞在できないし、延長はほぼ無理、ということで非常に難しい。

ネットで海外移住で検索すると、それはまあ、簡単そうに書かれていますが、現実は非常に難しいです。
ひとつ非常に気になったものを見つけたので最後に書きます。

現地に行ったらガイドをすればいい、と書かれたものを読みました。
これはもう、冗談ではありません。読んで気絶しそうになりました。絶対にダメです。

オーストリアで「観光ガイド案内」は国家試験に合格した者しかその生業を行うことができません。
数年学校に通って、めちゃクソ難しい試験を受けます。特にウィーン市では、簡単に合格できるものではないのです。
もし違法に顧客を案内した場合、現行犯で捕まって、かなりの罰金を取られる事になります。私は多くの国のガイドさんを知っていますが、みんな違法に働くガイドには目を光らせていて、見つけたら捕まえています。お小遣い稼ぎ、アルバイト感覚で、頼まれたから案内しちゃおう〜、なんて気楽にやらないことを警告します。

なぜそんなに厳しい試験に合格しなければいけないかというと、「正しい歴史を伝える」ことの重要性をオーストリアは大切に思っているからです。「こうだったら良いな〜」とか「こういう話の方がお客さんが喜ぶな」みたいな感覚で、適当な嘘を語られたら困るのです。

オーストリアの国家資格を持ったガイドさんたちは本当に優秀です。
旅行なさる際には、きちんとしたガイドさんに依頼することをお勧めします。

って、話がめちゃめちゃずれましたが、ボーンとやって来て、「はい、ここに住んで、これから何かを始めましょう!」という訳には行かなくなっています。こちらできちんと大学を出た人でも大変なので、やっぱり海外移住は甘くない、という事です。