ピアノ教師にとって「才能のある子」「素質のある子」「教えやすい子」

ピアノとヴァイオリン

以前、「才能のある子」「素質のある子」について書きました。親である立場でこの言葉を言われると、それはもう天にものぼる気持ちになると思いますが、教師目線で観察して、「素質のある子」もっと言えば「けっこう楽に伸びそうだな」と思える子は、どんな子でしょう?

ある小学生の女の子が、その見本のような子だったので書いてみようと思いました。

わたしにとって「素質のある子」の条件は、「好奇心のある子」です。そしてその好奇心の対象が、当たり前ですがピアノに向かっていて、それが気まぐれでなく、コンスタントに続くことです。

何百回も書きましたが、好きこそ物の上手なれ、好きであれば楽しいので伸びます。集中力もついてきます。

そして、言われたことがすぐに出来る子。
いわゆる「真似っこ」をするのが上手な子です。これが簡単に出来る子供を教えるのは本当に楽です。リズム感がある、ピアノ演奏での運動能力が高い子です。

そして極端に恥ずかしがり屋でない子、というのも条件です。子供は繊細なので、初対面の時は内弁慶の子もいます。それでもレッスンに慣れてくると、かなりオープンになるのが普通ですが、極度の内向的な子は難しいです。

彼女は良い条件を沢山備えていて、嬉しく思ったのですが、それに加えて感心したのは、お母さんがきちんと携帯でレッスンを録画していたことです。この姿勢が大切なのです。子供が喜んでいるので、親御さんは仕事で忙しいのですが、合間を見て1時間以上かけてうちに通ってきています。

この状態だったら、万が一将来音楽大学の道に行きたいと思った時の基礎がつくれます。

しかし、こういう子は本当に羨ましいです。きっと私自身はそういう子供ではなかったと思うので、素直に良いなあ、と思いながらレッスンしています。将来この子がどんな形でピアノを楽しんでいくのかはわかりませんが、良いお手伝いができればありがたいことです。