音楽(海外)留学をするのに、語学は必要でしょうか?はい、絶対に必要です。

音楽留学のために

*写真はお題と関係ない、のウィーンでのコンサートのひとコマ。素晴らしいピアニストのイリーナさんと。娘、残念ながらロシア語は出来ない!*

ネット上の音楽留学情報でも、いわゆる「ノマド系」海外移住情報でも、
「言葉なんて、翻訳マシーンがあるし、音楽留学にしても、音楽は世界の共通語だから、必要ないさ!」というものをよく目にします。

私はこれらをみるたびに、「あ〜あ、無責任だなあ」と思うのです。
「語学が必要ない!」と一見、経験(?)のありそうな人の情報をネットで見つけて、海外に飛び出す、背中を押されるきっかけとなれば、それはそれで良いのでしょうし、現地に来てから学ぶ、というのなら全然OKだと思います。

しかし、せっかく何でも手に入るような便利な国、日本から来るのですから、日本語で外国語を学んできても無駄にはならないと思います。というか、本当に日本には良い参考書もアプリもたくさんありそうなので、利用しない手はないと思います。

効率的なのは、どの語学にしても、日本で最低限の文法などのインプットを終わらせてくる事です。現地では、実践アウトプットに徹する。

しかしまた、どうしてそんなに語学が大切なのでしょうか?

私に言わせると、それは、「語学ができたら、絶対に、本当に楽しいから!」です。
人脈の広がり方も増えるし、万が一、不当な目にあったとしても、堂々と反論できる。大袈裟に言えば、怖いものがなくなるのです。これって人生において大切な事です。

そして、逆に語学ができないと、これも極端な表現かもしれませんが、「自分の存在が無になってしまう」可能性があります。赤ちゃんと同じレベルになるようなものです。だって、何も言えないんだもの。

その昔、私が某ユダヤ人のパーティーに招待された時のことです。たまたま話が盛り上がり、会話がヘブライ語だけになり私だけ????の世界に陥ったことがあります。その時に私が感じたのは「今の私の状態は子供以下、お馬鹿以下、存在しないのと一緒だ」ということです。私がおいてけぼり状態なのに他のゲストが気付き、英語に切り替わったのですが、そういうことです。

イタリアの田舎のコンサートに行った時、英語も通じなくて(数字も通じなかった)アイスクリームを買うだけでも苦労したり、最低限の生活を行うのに、言語は必須です。

旅行レベルなら全然構いませんが、「留学する」「就職する」となると話は絶対的に変わってきます。もっと自体は真剣になってきます。

まず、音楽において、本格的に深くプロフェッショナルに学ぼうと思ったら、「音楽は世界の共通語」なんて言っている場合ではありません。レッスン時間はなんとなく過ぎて、見よう見まねでなんか学んだ気持ちになるとは思いますが、人間、残念ながらエスパーではないのです。教授の言いたい事の奥深く学ぶことは絶対的に不可能です。真剣に学びたければ、語学は必須です。

海外で就職を目指す場合、語学レベルが低ければ、かなりの専門職でない限り、それなりの職にしかつけないのです。それで幸せならば良いのですが、可能性は狭まってしまいます。

よく「現地のガールフレンドができれば、ボーイフレンドができたらバッチリ!」なんて言葉を聞きますが、これは残念ながら足りません。もちろん、ないよりは良いですが、語学は机の上で勉強として学んだほうが断然良いです。なぜかというと、恋人同士の会話では、語彙力に限りがあるからです。語学のキモは語彙力です。

真剣に海外の大学で勉強したり、就職したりして何かを得ようと思ったら、残念ながらきちんとしたレベルの語学は必須です。

偉そうなことを書きましたが、私だってはじめから堪能に出来たわけでもないし、今だって勉強しながらなんとかやっています。何十年経っても毎日が勉強です。ドイツ語は特に難しい言語だと思います。でも、学ぶことは楽しいし、出来れば絶対に良いことがあります。

たかが語学、されど語学です。楽しんで学びましょう!