子どものヴァイオリンの先生の探し方|音大受験・音楽留学を見据えた指導者選び
写真は数年前のクリスマスに撮ったものです。巨匠ドーラのお孫さんと一緒に写っている、子どもの頃の娘です。
娘がヴァイオリンを習い始めてから、私たちは本当に長い道のりを歩いてきました。嬉しいことも、悔しいことも、悲しいことも、数えきれないほどありました。もちろん、失敗もたくさん経験しています。
その経験を通して、子どもがヴァイオリンを学ぶうえで、どうすればより効率よく、そしてできるだけ幸せに続けていけるのかを、何度も考えてきました。
今回は、その中でも特に大切なテーマである、ヴァイオリンの先生の探し方について書いてみたいと思います。
ヴァイオリンの先生選びはとても重要
ヴァイオリンの場合、ピアノと同じくらい、場合によってはそれ以上に、良い先生を見つけることが重要です。
その理由のひとつは、ピアノに比べるとヴァイオリン人口が少なく、良い先生に出会える機会も限られているからです。
もちろん、相性が良く、実力もあり、子どもを正しい方向へ導いてくれる先生に出会えたら、それは本当に幸運なことです。
少し大げさに聞こえるかもしれませんが、子どもが最初に出会う先生によって、その後のヴァイオリン人生が大きく変わることがあります。
特に小さい頃に身についた構え方、音程の取り方、弓の使い方、練習への向き合い方は、後になってから簡単に直せるものではありません。
趣味で習う場合でも、先生選びは大切
「うちは趣味だから、そこまで本格的でなくてもいい」と考える親御さんも多いと思います。
しかし、ヴァイオリンは、趣味で習う場合であっても、最初からきちんとした先生に習うことが非常に大切な楽器です。
ピアノは、鍵盤を押せば誰でも一応音が出ます。もちろん、良い音を出すためには高度な技術が必要ですが、それでも最初の段階では、正しい高さの音を出すこと自体は比較的わかりやすい楽器です。
一方、ヴァイオリンは自分で音程を作らなければなりません。
正しい音程で、美しい音色で、自然に聞こえるように弾くことは、想像以上に難しいことです。上手に弾けて、ようやく普通に聞こえる。それがヴァイオリンという楽器です。
反対に、基礎がきちんと身についていない場合、本人も周囲も「何か違う」「あまり上手に聞こえない」と感じながら、その理由がわからないことがあります。
ヴァイオリンの音程は、最初から簡単にはわからない
ヴァイオリンの音程については、本当に難しい問題があります。
私はピアノ科で音楽大学を卒業していますが、それでも娘がヴァイオリンを習い始めた頃は、何が正しくて何が悪いのか、はっきりわからないことが多くありました。
これは、平均律や純正律といった高度な話以前の問題です。
ヴァイオリンという楽器は、まず「ピアノと同じような高さの音を出す」というだけでも、非常に難しい楽器です。
ですから、なんとなく週に数分だけ練習するような状態では、なかなか美しい音で弾けるようにはなりません。将来、アマチュアオーケストラで楽しく演奏したいと思っても、基礎が身についていなければ、その段階まで進むのはかなり難しくなります。
だからこそ、趣味であっても、良い先生に習うことはとても大切です。
専門を目指す可能性があるなら、早い段階の基礎が重要
もし将来、お子さんが音楽大学や音楽留学を目指したいと言い出した場合、ヴァイオリンでは基礎の状態が非常に大きな意味を持ちます。
特に12歳を過ぎてから、構え方、音程、弓の使い方などの基礎を大きく立て直すのは簡単ではありません。
もちろん不可能ではありませんが、時間も労力もかかりますし、本人にとってもかなり大変です。
小さい頃から正しい基礎を積み重ねておくことは、趣味で続ける場合にも、将来専門に進む場合にも、大きな財産になります。
ヴァイオリンの先生を探す方法
それでは、どのようにして良いヴァイオリンの先生を探せばよいのでしょうか。
ここでは、私の経験から、現実的に役立つ方法をいくつか挙げてみます。
1. 音楽関係の知り合いに相談する
身近に音楽関係の人がいる場合は、まず相談してみるのが一番良い方法です。
ヴァイオリンの先生を探す場合、できれば音楽大学をきちんと卒業している先生、または在学中であっても非常に優秀な学生に習うことをおすすめします。
特に小さい子どもの場合、「子どもに優しい先生」であることも大切ですが、それだけでは十分ではありません。
正しい基礎を教えられること、子どもの身体の使い方を見られること、音程や弓の問題を具体的に直せることが重要です。
2. 発表会を見学する
今は、多くの先生が自分のウェブサイトやSNSで発表会の情報を出しています。
気になる先生がいる場合は、その先生の発表会を見学してみると、とても参考になります。
発表会では、先生ご本人の雰囲気だけでなく、生徒さんたちの弾き方、親御さんたちの雰囲気、教室全体の空気を感じることができます。
音楽の専門知識がない親御さんでも、いくつか見られるポイントがあります。
たとえば、生徒全員のヴァイオリンが下を向いていて、音がギコギコしている場合は、少し慎重に考えた方がよいかもしれません。
良い先生の生徒さんたちは、年齢やレベルに差があっても、全体として「下手っぽくない」印象があります。構え方、音の出し方、舞台での立ち方に、ある程度の共通した安定感が見えることが多いです。
判断が難しい場合は、音大生や音楽関係者に一緒に見てもらうのも良い方法です。
そして、お子さん自身が「この教室で習ってみたい」と感じた場合は、先生に連絡を取り、体験レッスンや面談の機会をお願いしてみるとよいでしょう。
3. コンクールを見学する
ヴァイオリンの先生を探す方法として、子どものコンクールを見学するのも非常におすすめです。
コンクールでは、参加者が年齢別に分かれていることが多く、プログラムには師事している先生の名前が書かれている場合もあります。
同じ年齢くらいの子どもたちがどのように弾いているのか、どの先生の生徒が安定しているのかを見ることができるため、先生探しの参考になります。
多くの先生は音楽学校や音楽大学、音楽教室など、どこかの教育機関で教えています。気になる先生が見つかったら、その先生の所属先や連絡先を調べて、問い合わせてみるとよいと思います。
良い先生の指導は、生徒の演奏に表れる
ヴァイオリンは、身体にとって決して自然な構えの楽器ではありません。
楽器の持ち方、弓の動かし方、左手の形、身体のバランスなど、最初に間違った癖がつくと、後から直すのが大変です。
だからこそ、先生の指導方法は、生徒の演奏にとてもはっきり表れます。
良い先生に出会うことは、簡単ではないかもしれません。
しかし、子どもに合った先生と出会うことができれば、ヴァイオリンはとても楽しく、長く続けられる素晴らしい楽器になります。
子どものヴァイオリン人生は、先生との出会いで変わる
子どもがヴァイオリンを習う場合、先生選びはとても大切です。
趣味であっても、専門を目指す場合であっても、最初の基礎をどのように身につけるかによって、その後の伸び方は大きく変わります。
音楽関係の知り合いに相談する、発表会を見学する、コンクールを見に行くなど、先生を探す方法はいくつかあります。
大切なのは、ただ有名な先生を探すことではなく、お子さんの性格、年齢、目標、家庭の方針に合った先生を見つけることです。
多くのお子さんが、良い先生と出会い、楽しく充実したヴァイオリンの道を歩んでいけますように。

