海外のマスタークラスに参加する時、みんな楽譜はどうしている?

音楽留学のために

さて、これから私が書くことは普通に行われている事実なので、著作権がどうとかそういうことで反応しないでください。別にこの方法を推薦しているわけではありませんし、普通に、こちらではこうですよ、というお話です。日本の場合はどうなのか、残念ながら知りません。

はい、楽譜です。
経験のある人にとっては以下、当たり前のことなのですが、結構知らない人もいるので書いてみます。

マスタークラスに参加する時、参加者は楽譜をどうしているのでしょうか?
オリジナルの楽譜を教授の分と自分の分、すごい荷物を抱えて世界各国から集まるのでしょうか?
もちろん違います。

今回私が訪れたザルツブルクのインターナショナル・サマーアカデミーの例を挙げます。

全員、教授用のコピーを持ってきます。
学生は当然ながら暗譜しているので、師事を受ける時だけ自分の楽譜を見ますが、多くの人がiPadを使っていました。

教授用の楽譜には何も書き込まれていないことが大切です。なぜなら、他の先生に習った、もしくは自分の書き込みがごちゃごちゃあったら、やりにくいからです。礼儀として、何も書かれていない楽譜、オリジナルでもコピーでもいいですが、それをお渡しすること。

もし、複数の教授に習うのであれば、それぞれに何も書いていないコピーかオリジナルを渡します。

私が学生時代にやっていたのは、スケッチブックにコピーを貼り付けて、今やっている曲の自分のアルバムを作ることです。ここで注意するのは、コピーが製本されていない場合、こっちの学生に多いのですが、こういうだらしのないのはアウトです。

ヴァイオリンや他の楽器も基本同じです。
伴奏がある場合は、オリジナル、またはコピーの場合はきちんと製本してある事が常識です。
伴奏者が望めば別ですが、製本していないバラバラのコピー用紙をレッスンでいきなり渡す、なんて失礼なことはちょっといけません。

そして、これはもう、全くもってけしからん、問題外ですが、数人いるんです。伴奏譜をもってこない人が!
伴奏者はドラえもんのポケットから、全ての伴奏譜を出せるとでも思ってるいるのかどうか知りませんが、本当にこういう学生がいるので驚きます。(でも実際は最近、伴奏者がiPadでかなりの楽譜を持っていたり、あと、ダウンロードできちゃったりするからなんとかなるんですけどね。でも年配の伴奏者にはそんなスキルがない場合が多いので、やっぱりコピーをお渡ししましょう)

さて、コピーコピーと書きましたが、あなたが参加するマスタークラスがこぢんまりとしたものでなく、ザルツブルクのマスタークラスの様に大きい場合、コンサートがもれなく付いてきます。

ピアノは当然暗譜なので問題ありませんが、問題はヴァイオリンとピアノのソナタ、みたいな場合です。
今回はそういう場面を見ませんでしたが、舞台上は絶対にオリジナルの楽譜!と決まっているマスタークラスもあります。前もって調べることも大切です。

たかが楽譜、されど楽譜、きちんと準備して慌てないようにしましょう。