音楽大学における#MeToo 変だな、嫌だな、と思ったら声を上げる勇気を持ちましょう。

ピアノとヴァイオリン

「デア・スタンダート紙」「Der Standard」はプレッセ紙に並び多く読まれているオーストリアの新聞ですが、偶然、ウィーン国立音楽大学の記事が目に止まったので、今日はそれについて書いてみます。

ざっくり言えば、内部で行われたセクハラ問題なのですが、このリンクの中にポッドキャストがあるので、ドイツ語のわかる人は聞いてみてください。娘と聞いてまあ、目がまんまるになってしまいました。

ウィーン国立音楽大学の学長は、学生全員にメールでこの記事に反応しているので、ドイツ語のわかる学生さんはもうお気づきだと思いますが、行動が早いところはMDW(ウィーン国立音楽大学の略称)の良いところかもしれません。MDWウェブサイト上でも、許されないこととして掲載してあります。

しかしまあ、音楽でも演劇でも(ウィーン国立音楽大学には有名な入学が非常に大変な演劇部門もあります)「そういうこと」をする教授は「もっと情熱的な表現をするために!!!」と悲しいほどベタなセリフを言って手を出すのだなあ、と呆れるやら、さらに呆れるやら、です。

全教授がとは勿論言いませんが、どの時代でもどの国でも、残念ながら同じようなことはあるものです。このウェブサイトの掲示板でも「知ってたわ、何を今更」みたいな書き込みが多いことからも、それはよくわかります。

パワハラ同様に恐ろしいのはモラハラです。
「脅されている」「侮辱された」「怖い」と感じたら、よく考えてみましょう。日本の昭和時代と違い「逆らったら仕事がなくなる」「もうこの楽器で生きていけない」みたいな時代は、過ぎ去ったと思って間違えありません。

時代は変わりました。
自分が「嫌だ」とか「変だ、これはおかしい」と思ったら声を上げましょう。

どうやって、と言うのは簡単。オーストリアの音大に限らず、どの大学でもその手の相談窓口はあります。音大でもこれだけ大ごとになっているので、隠蔽される、仕返しを受ける、などと言うことはありません。メディアの力はやはり大きいのです。

おかしいな、と思ったらまず、黙って我慢せずに誰かに相談するなりして行動しましょう。