1.9月、ウィーンの新学期が始まりました
今年も夏休みが終わり、ウィーンでは新しい学校年度が始まりました。
私の周りでも、新しくウィーンで音楽を学び始める生徒さんたちの生活がスタートしています。今年は、受験準備から関わってきた生徒さんたちがmdw(ウィーン国立音楽大学)への合格を果たし、新しい生活を始めることになりました。
それぞれまだ未成年なので、親御さん同行、または寮生活でのスタートとなります。
以前にもお話しした通り、ウィーンには日本のような「音楽大学の附属小・中・高等学校」は存在しません。義務教育期間中は、普通の公立・私立学校などに通いながら、音楽の専門レッスンをmdwで受ける、という形になります。
ウィーンの学校は9月から始まりますが、mdwの冬学期は10月からスタートします。2026年の冬学期は10月1日からです。
2.合格してからも、実は大変
合格前はもちろん大変ですが、合格してからも大変です。
思いもよらない生活上のミスマッチが、移住してから起きることもあります。
今年の例で言えば、世界的な「猛暑」。日本ではクーラーは当たり前ですが、ヨーロッパではクーラーはデフォルトではありません。引っ越してきた途端、暑さでダウンしてしまうというのも辛いものです。
急に暑くなると扇風機まで売り切れますし、日本ではあまり想像できないようなことが起きます。
そして、日本の素晴らしいサービスに慣れている場合は、こちらでの洗礼を受けることになります。
注文したものが何時に届くのかわからない。届いたと思ったら部品が足りない。ずっと家で待っていたのに「不在だった」とされて配達されない。
悲しいかな、こういうことも普通に起きます。
ある程度の覚悟が必要となります。
3.現地学校について
私立学校に入学した場合は、ケアがかなり綿密にされている印象があります。相当の授業料を支払うので、当たり前と言えば当たり前なのかもしれません。
一方、公立の場合は、そこまで徹底していないと感じることがあります。
メールをしても返信がない。それについて謝罪などもちろんなし。学校側の事務所の人が英語を流暢に話せない、などなど。
ドイツ語ができない場合、かなりのストレスとなります。
一方、mdwでは新学期の数か月前から登録関係の手続きが始まります。事務所の方々は皆さん親切で、あらかじめきちんと必要書類を準備して臨めば、手続きもスムーズです。
そして、写真入りの学生証のなんと誇らしいことか。
みんな、それを見て笑顔になります。
当たり前ですが、喜びのあまりInstagramなどにそのまま載せないように。大切な個人情報です。
4.最も難しいこと――付き添う親の滞在許可
ここには詳しく書きませんが、未成年の子どもが留学する場合、付き添う親御さんの滞在許可は非常に大きな問題になります。
子どもが「Schüler」として滞在許可を取得したからといって、付き添う親にも自動的に滞在許可が出るわけではありません。
ウィーン市MA35の案内でも、「Aufenthaltsbewilligung – Schüler」では家族呼び寄せは認められていません。親御さんが一緒に長期滞在するためには、親御さん自身が別に滞在資格を満たす必要があります。
以前は「行ったり来たりすれば大丈夫」(これは本当にアウトです)だとか、「弁護士さんを通せばなんとかなる」といった噂も耳にしましたが、実際にはそんなに簡単な話ではありません。
そして、手続きにかかる時間も費用もかなりのものになります。
普通に大学へ留学する場合はもちろんですが、未成年の子どもの留学となると、音楽だけではなく、学校、住居、滞在許可、保険、生活、そして親がどこまで一緒にいられるのか、というところまで考えておかなければなりません。
合格通知をもらった瞬間は、もちろん本当に嬉しいものです。
でも、留学はそこで終わりではなく、むしろそこからが始まりです。
実際に新生活を始めてみると、「これは日本にいる間にはなかなか想像できないだろうな」と思うことが、本当にたくさんあります。
住居のこと、寮生活、保険、学校とのやり取り、公共交通機関、携帯電話、楽器の練習環境――まだまだ書きたいことがあります。
今回は長くなりましたので、この続きはまた改めて書いてみたいと思います。
