ウィーン国立音楽大学ヴァイオリン科入試を終えて
若い受験生たちの高いレベルと、音楽留学準備の大切さ
5月中旬、ウィーン国立音楽大学のヴァイオリン科の入学試験が行われました。
試験は基本的に年齢順に進められます。まず、13歳までのHochbegabtenkurs(才能クラス)、続いて13歳から15歳くらいまでのHochbegabtenkurs、そして18歳までの予備科(Vorbereitungslehrgang)の試験が行われました。
その後、特別課程にあたるPostgraduate、つまりマスター課程修了後の年齢層を対象とした課程の試験が数名分行われ、続いて日本の音楽大学にあたるBachelor、そして大学院に相当するMasterの実技試験が、合計3日間にわたって行われました。
BachelorとMasterに関しては、事前に楽典・ソルフェージュの試験が行われます。まずこの試験に合格することが、実技試験を受験するための条件となります。
18歳までの若い受験生たちの高いレベル
例年に比べ、18歳までの子供たち、ティーンエイジャーたちのレベルは非常に高く、正直なところ驚かされました。
残念だったのは、これらのグループの試験を見学できなかったことです。以前は、入学試験を普通に誰でも見ることができました。ところが、某国の保護者たちが会場で騒いだり、無断でビデオを撮影したり、さらにはその映像をSNSにアップしたり、大学にクレームを入れたりしたことが原因で、いつの間にか見学ができなくなってしまいました。本当に腹立たしい事です。
それはさておき、今年の子供たちのレベルは、例年に比べて非常に高かったと思います。実際には中で見学することはできませんでしたが、ドアに耳を押し付けるようにして聴いていました。
18歳までのクラスの受験については、「若いほど上手いのでは?」というのが、多くの人の意見でした。
応募者数と実際の受験者数
ウィーン国立音楽大学のヴァイオリン科、コンチェルト科の応募者は、子供から大人まで例年通り、かなりの数であったと聞いています。ただし、実際に受験した人数は、そこから数十人ほど減少したようです。
応募者の数だけを見ると、かなりの競争率と思われるかもしれません。しかし実際には、ビデオや書類などによる前審査がないため、受験者のレベルは玉石混交です。とはいえ、それを考えても、合格がかなり難しいことに変わりはありません。ここでは詳しく書きませんが、教授達から聞いた「求められるレヴェル」は簡単なものでありません。
音楽留学を真剣に考えるなら早めの準備を
受験年齢が高くなればなるほど、審査員の要求レベルも高くなります。多くの条件をクリアしなければならず、さらに受験当日の運もあります。
留学を真剣に考える場合は、できるだけ時間に余裕を持ち、確実に準備していくことが必要になります。
若いヴァイオリニストたちの新しい音楽生活
喜ばしいことに、今回私がお手伝いをした若いヴァイオリニストたちは立派に演奏し、この秋からウィーンで新たな音楽生活を始める運びとなりました。彼らの学ぼうとする姿勢と才能、そしてご両親の愛のあるサポートに頭が下がる思いです。
音楽大学への合格は、演奏家生活のゴールではありません。それは、あくまでも第一歩です。
大きな未来と希望がある反面、失望や不公平なども待ち受けています。それでも楽器への愛情を持ち続け、日々切磋琢磨を続ける。
そういうヴァイオリニスト(演奏家)たちには、素晴らしい人生が待ち受けていることを、私は信じています。
音楽留学を考えている方へ
ウィーンでの音楽留学は、実力だけでなく、準備の進め方やタイミングも非常に重要です。入試制度の理解、必要な手続き、現地でのレッスンや試験当日の流れなど、日本にいる段階では想像がつかないことも多々あります。
私自身、ウィーン在住の通訳として音楽大学受験や現地での準備に関わる中で、早い段階から正しい情報を得て準備することの大切さを、改めて強く感じています。
必要に応じて、受験や現地生活に関する通訳・サポートも行っています。真剣に留学をお考えの方は詳細明記のうえ、ご相談ください。
