ピアノやヴァイオリン、教師から見た門下にとりたい生徒とは?そしてその逆は?

ピアノとヴァイオリン

教える立場になって、はじめてわかることって沢山あるのですが、その最も大きなものとして、「どういう生徒が好まれるか」があります。ズバリいうと、生徒が未成年の場合、「どんな親が好まれるか」となります。

自分が生徒の立場だったり、または生徒の親の立場だと、先生にこうして欲しい!ああして欲しい!!と欲求が沢山出てくるのですが、逆の立場になってみると、見えてくる見えてくる、「こんな親はいやだ!!」

私のよく知る教授がたまに私に言います。
「あの子を門下にとらなかったの。子供は別に普通なんだけれど、あのお母さんは絶対にいや!関わりたくない!」

そういうことを聞くたびに、「あ〜あ、なるほどなあ。私でもイヤだよなあ、きっと」と思うのですが、多くの教授がイヤだな、と思う親御さんは、たいてい態度や言動に「嘘」が多いのです。

つく必要のないウソをつく人、明らかに下心があって近づく人(その教授の門下生が某コンクールに強いなど)は目を見るとわかります。食いつくようなオーラが、本当に怖い人もいます。

逆に愛される親御さんとはどんな感じでしょう。もちろん、経済的に余裕があることも条件のひとつでしょうが、笑顔が温かくておっとりしているご両親です。ガツガツしてない。

あるマスタークラスで、そのお嬢ちゃんだけが演奏できないことになってしまったとき、某教授は「許せないことだ!アカデミーに掛け合って来る!」なんて感じだったのですが、そのお母さん、優雅に微笑んで「プロフェッサー、大丈夫、そんなにお怒りにならないで。娘は次のコンサートで弾けるのですし、お気になさらないでください。本当に大丈夫ですから」とまあ、これまた上品な英語で話す様子を見て、私は「これだよね」と思ったものです。

真剣組にとっても教授と学生の関係は6年くらいになります。相性が合えば一生のお付き合いになることも多いです。その間お互いに平和に楽しく過ごしたいと思うのは当たり前なので、慎重になる気持ちはとても理解できます。

別に特に媚を売ったり、作ったりする必要は全くないと思いますが、あくまで自然体、余裕を持った丁寧なふつうのマナーで、教師・生徒に関わらず、誰に対しても接する事ができれば最高ですね。