あがりを克服するためには?

Kieti 2コンクール

Lisa-Maria Violine, リザ・マリア ヴァイオリン

ひとりで弾くのが好き、という考え

演奏する事は大好きなんだけれど、人前で弾くのが苦手!という方は結構いらっしゃると思います。私もその昔そういう時期があって、ある教授にその話をしたところ、「馬鹿馬鹿しい。作曲家は自分の曲をひろめてもらいたいんですよ。音楽は貴女が自分だけ満足するためだけではなく、人に聴かせるためにあるんです。あがらない事を学びなさい。」と言われてどびっくりしました。「えーーー、そんなーーー!」いともかんたんに自分だけで楽しむ事を否定されて驚いたと共に、「自分だけで弾くのが好き、と言い訳して甘えていた。」と思いました。音楽大学に入学してピアノを専門家として学ぶということは人前で演奏すること、そしてその技術を後世に伝える事が仕事になります。上がりも克服せねば!と思いました。

あがりの症状とは?

私が経験したマックスの「あがり」はここウィーンで、車の免許取得の試験の時です。当時、セオリーは全て面接でした。何が起きたかというと、

  • 異常な発汗
  • 座っているのに膝の震え。それはもう、ガクガクガクガク〜
  • 喉はカラカラで言葉がうわずって出てこない

こんなのはピアノ演奏でも経験した事がありませんでした。これが本物の「あがり」だと思いました。演奏でもここまであがる人もいます。こんな状態では演奏どころではありません。

さて、

あがり克服戦略法No.5

1. 正しい練習法による必要最低限の練習時間を持つ

これはもう、あたり前の事ですが、できていないケースはかなり多いと思います。年齢が15歳を超えると誰でも「舞台で弾くのが何よりの喜び、私はソリスト」という天真爛漫気持ちは消えていきます。最低限の練習は必須です。

2. 人前で出来るだけ多く演奏する

ちゃんとしたコンサートでなくてもよいのです。家族の誰かにそこに座ってもらって聴いてもらう。そしてその時、何があっても一曲終わるまで途中でやめたりしてはいけません。最後まで弾き切ることが大切です。音大生であれば友人数人をあつめて練習室で弾き合い回をしましょう。うちでは定期的に娘が仲間を連れてきてコンサートをします。音大の部屋を借りて弾き合い会もやっています。身近な人の前で弾くと結構緊張するものです。人前で弾く回数が多ければ多いほどあがりません。

3. 録画する

誰も聴いてくれる人がいない時もあると思います。それには録画が一番です。たかが録画、されど録画。結構緊張します。1日数回連日やったら慣れてくると思います。あがる練習以前に、これは普通に良い練習になります。自分では出来ていると思っている事が出来ていないと分かっただけでも儲け物です。絶対おすすめです。録画は携帯で充分です。

4. 瞑想を定期的に行う

今はもう、瞑想を怪しげな宗教がかったものと思う人は少なくなってきました。はじめは3分でも良いので始めてみましょう。色々なやり方がありますが、私は鼻から息を吸って、倍の時間をかけて口から吐く、という方法をしています。3秒吸ったら、6秒吐く、というような感じです。時間はお好きなように。目を閉じて何も考えないようにします。もし何か余計な考えが浮かんだら、さっと戻す。その繰り返しでも構いません。私は毎日朝起きた時に15分くらいします。娘も毎日やっています。瞑想本のおすすめはこちら。

5. わざと緊張してみる

本番が決まったら、電車の中でもどこでもよいのですが、その様子を想像して一回ドキドキしてみて下さい。そして本当にドキドキしてきたら、瞑想の時に行なっている呼吸法で自分を落ち着かせます。数分経つと本当に落ち着いてきます。こうして自分のあがりをコントロールする練習をいちにちに数回行ってみます。効果あります。

ザハール・ブロン先生のお言葉

「どうしたら緊張しないで舞台で弾けますか?」と伺った時に、こうおっしゃいました。

「舞台に上がって初めの音を出して、その音を聴いて、『おっ、出来た、大丈夫。いい音だ!』と思う。そしてその次の音を出して、『おっ、またまた上手くいったぞ!』と思う。そうしているうちに気持ちよく弾けてるようになってるんです。」

ブロン先生がおいくつになっても舞台で楽しそうに演奏していらっしゃる秘訣はこれなのでしょうか。

何ごとも経験と数です。あがらないように準備してみましょう。ただの一回であがらないようになるのは難しいです。一回、一回と積み重ねて自信をつけていきましょう!!!きっと大丈夫。