インターナショナル・サマーアカデミー2024を終えて(ザルツブルク・モーツァルテウム音大にて) コレが出来たら絶対に「お得!」ということは?

ピアノとヴァイオリン
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お答えは簡単で「語学」です。
ピアノやヴァイオリンなどの実技が出来ている事はあたり前、という事はもちろん前提です。

なぜ今回つくづくそれを感じたかというと、その例を間近に見たからです。

参加者の某上手なお子さんはインターナショナルな学校に通う小学生ですが、欧米の人のように、「本当に普通に」レッスンを受けることが出来ていました。講師の要求に無駄なく反応できるし、質問に答えることもできる。そして自分から質問する事も出来ます。

これは当たり前の光景なのですが、日本人となると断然変わります。
語学はできないのが前提、でレッスンが始まります。

どこかのエージェントを通してこのアカデミーを申し込んだ場合は、音大生などの通訳を用意してくれることもありますが(もちろんアカデミーで通訳斡旋はしません)自分でネットで適当に通訳を調達すると、全く音楽を知らない人がいい加減な通訳をして、親も子も教授もストレスがマックスになり、お金を捨てた、というケースも多く見てきました。

話はそれますが、ネットに出ている「通訳します」「街を案内します」等には気をつけてください。
通訳って言ったって、楽器によっては音大生でもきちんと訳せない場合がたくさんあります。私だってもし全く未知の管楽器のレッスン通訳なんてする場合は下調べもかなりします。
ドイツ語が何となく話せるレベルでは、申し訳ないですが、何を言ってるかわかんない例もたくさんあります。

そしてこれも話がそれまくりですが、「ガイド業」をオーストリアの資格なしにお金を受け取って請け負うことは「犯罪」となります。これは私も学校に通ったことがあるのでよく知っていますが、数年学校に通い、かなり難しい試験に合格し、初めて得られる国家資格です。これも本当に、よーーーーーく知っておいて欲しいです。特に現地に住んでいる方。送迎も申告することなしにやったら、罪でございます。

さてさて、話を戻します。
ムスメの先生のクラスでは、親御さんがヴァイオリニストで子供に通訳して伝えているなどの例があります。もちろん他人が通訳するよりは伝わりやすいと思いますが、やっぱりワンクッション間に入ると時間とコミュニケーションの無駄になります。それに親がやると、なんか関係ないことまで子供に怒鳴ってたりして、教授はちょっと・・・となる場合もあり。
それとお母さんが理解しても、子供が理解していないと話にならない、ということもあります。

だから、本格的にクラシック音楽を学び、それを職にしようだ留学しようだという可能性があるのなら、悪い事は言わない、語学はやっておいた方が良いでしょう。
ムスメの某生徒くんはティーンですがインター生なので英語に全く問題がありません。彼は条件が揃えば本当にすぐに留学できます。

もちろん、お金のかかる事なので万人がインターナショナルスクールやアメリカンやブリティッシュに通うのは無理でしょう。しかし私達の時代に比べれば、やる気さえあればお金をかけずにネットでどの言語でも学べる時代です。全てはやる気のみ。

子供の場合は親の努力となりますが、ある程度年齢が経って大学で留学なんて場合は早めに準備することをお勧めします。数年の記念のような留学ならニコニコして終わることもできますが、それだと卒業もできないし(一応、副科あるし)、こちらでオケに入りたいだ、職に就きたいだとなると、ドイツ語は欠かせません。

もちろん語学だけで気でもダメなのですが、語学プラス当たり前の実技の実力、そしてコミュニケーション力、これは非常に大切です。やる気があればこれら全て、楽しみながら出来るものです。