ウィーンに移住して考えること 外国に住んで「差別をうける」ってどんなこと?の件

ウィーン生活

外国、オーストリアでもどこでも良いのですが「移住したいな」と思う人の心をよぎることのひとつに、この「差別に対する不安」があると思います。今日はそのことについて書いてみます。

コロナ禍に爆発的に流行ったクラブハウスで、ルームに入って実際におしゃべりに参加したり、聞く側に回って、みんなのお話を興味深く感じていました。時間差があるので「外国に住む日本人のルーム」を覗く機会が多いのですが、そこで驚いたことのひとつに「日本人として(アジア人として)ひどい差別や対応を受けた人がこんなにも多いんだ!!!」ということがありました。

以前にも書きましたが、私はオーストリア・ウィーンに住んで、今でも思い出す様な差別を受けたことは、2回しかありません。

オーストリア、ウィーンが特別に人種差別が少ない都市だとは言いませんが、特に差別の多い都市だとは思いません。それでもウィーンでひどい差別を受けた人の話を聞いたことはあります。

中国語を真似したような言葉で冷やかされた(チン・トン・シャンとか)、ダイレクトに「外人、出ていけ」「ああ、これだから外人は」と言われた、「外人」という言葉は使われなかったけれど、「私は差別と感じた」。。。

では、私はなぜ、たった2回しか差別経験を受けなかったのでしょう?

その答えは簡単で「差別をされそうな場所・人」を、意識的に、またはもう無意識的に避けて生きてきたからだと思います。どことは明記しませんが、ウィーン市内でも「差別をされそうな場所」は知っているし、「差別をしそうな人」についても勘でわかります。

そして外国で生きるに際して「差別をされそうな振る舞い、格好、を避けるようにしていた」かな、とも思います。
例えば、子供達のお迎えに学校に行く時にはあまりボロボロな格好はしませんでした。私の見た目が東洋人なので、私立の学校であまりひどい格好をしているとお手伝いさんやベビーシッターを間違えられる事は本当にアルアルなのです。下手をすると置き引きに間違えられて、受付でストップをかけられる場合もあるようでした。(それだけセキュリティーが徹底しているのでこれは親にしてみれば良いことです)

人間、中身が大切で見た目は関係ない、という人もいると思いますが、この問題に関して、私はちょっと違うと思っています。人は第一印象で人を見ます。「シャネル・スーツを着ましょう」と言っているのではなく「きちんとした、スキのないモノを着る」ということです。

そして大切なことのひとつに「態度」もあります。
人と話す時は、ビクビクせずに目を大きく開いてしっかり相手を見て、はっきりと話すこと。
これ、日本だと失礼にあたるとも感じますが、ここはオーストリアで欧州。忘れましょう。
(実際はそんなに出来なくとも)自分からさりげな〜く「私はドイツ語がとてもできるの。ここにもう、長く住んでいるのよ」アピールをする。そして大切なのは、フレンドリーなオーラも出すこと。えらそーなのはバツです。これはもう、テキメンで、自分からこの口火を切ると、かなり丁寧で気持ちの良い対応を受けることになります。そして楽しいスモールトークができます。

これはコロナ禍で中国人が怖がられた時期、かなり意識してやっていました。そうすると相手は安心してくれるので、良いストラテジックだったのを思い出します。

結局、差別は知らないものに対する恐怖心、警戒心から生まれるのです。

それでも差別的な言葉をかけられたり、態度を取られた場合、きちんと言い返せるように「その文章も態度も準備しておきます。」これだけで心の余裕はバッチリです。(しかし相手が凶暴な場合は逃げるに限ります。関わらないこと!)

外国に差別を受けずに住むのに、こんなめんどくさいことをやらないといけないのね、と思うのではなく、これを楽しんで生活するのもひとつの手かもしれません。私はウィーンに移り住んでから数十年となり、人生の半分以上を過ごしていますが、毎日幸せに楽しく暮らしています。感謝!