ピアノやヴァイオリンの先生や教授への年末のプレゼント オーストリアはどんな感じ?

ピアノとヴァイオリン

*写真は私がウィーンで一番好きなチョコレート屋さん、Xocolatのショーウィンドウ。ここのチョコレートは本当に危険で、いつも自分にプレゼントしています。毎日買いたくなります。サービスに一粒くれたりするので、かなり誘惑されます*

さて、以前にも書いたことがありますが、今日は年末のピアノやヴァイオリンの先生へのご挨拶、プレゼントのお話です。日本と比べると、どんな感じなのでしょうか?

日本ではお歳暮ですね。こちらではクリスマス・プレゼントがそのかわりとなります。ちょうど12月の24日の週に学校もお稽古事も、クリスマス・ 新年休暇に入るので、そのご挨拶、みたいな感じです。以下、私の経験から書きますが、違う習慣の人もいるかもしれません。それはご了承ください。オーストリアといってもみんなが同じことをする訳ではありません。

クリスマス休み前の最後のレッスンで、学生が教授に小さなプレゼントをすることがあります。もちろん、しない学生もいます。というか、私の知る限り、しない学生の方が断然多いです。ここは日本と大きく違うところだと思います。

門下生がとても仲良く、通じ合っている場合は、誰かが率先して小銭を集め、先生にプレゼントする場合もあります。娘が昔お世話になった教授のクラスは当時、先輩が率先してやっていました。門下生同士、とても仲が良く楽しい時代でした。当時いた先輩たちはもう卒業して、各国のオケで活躍しています。懐かしい。プレゼントしたものは、本当に小さな、気持ちだけのもので、全く高価ではなく、小さなクリスマスツリーにチョコレートだったりしました。懐かしい!

実際、「別にそんなにお世話になっていないな」と思ったら、贈る必要はありません。
先生によっては、学生に本当に義務以外は果たさない、またはそれ以下、みたいなことも残念ながらあるようです。そんな場合は、本当に別に何もしなくて大丈夫です。だいたい、学生が教授にクリスマスプレゼントをする、なんて義務的な習慣はないのです。

比較すると、街の子供のお稽古の先生の方がプレゼントをもらう確率が高い気がします。これは幼稚園や小学校の担任の先生にクリスマス前に本当に小さいプレゼント(例えば手作りのカードにクッキーなど)をする習慣があるからかもしれません。私はいただくことがあります。日本ではよくあることでしょうが、心のこもった子供の手作りのカードなんて、泣けます!

さて、音大に話は戻ります。
今はコロナ禍なのであり得ませんが、教授によってはクリスマス休暇前に、門下内のパーティを開く場合があります。全て教授のおもてなしの場合は、小さいプレゼントをすると喜ばれるかもしれません。教授たちも毎年学生におもてなしをするのも大変なので、飲み物だけおもてなし、と言う場合が多い気がします。全部おもてなしをしてくださる教授もいらっしゃいますが、そんな時、学生たちは大喜びです。

教授先生たちは原則的にプレゼントを期待していません。プレゼントされたら喜んでくださいますが、プレゼントをしなかったからといって評価が悪くなることは本当に全くありません。

が小さい頃にモーツァルテウム音大の予備科でオジム先生に師事していたときの話です。
クリスマスプレゼントにシュトレンをお贈りしたのですが、その時オジム先生が何回も
「嬉しいけれども、本当にお金を使うことは必要ないからね。今日のフラジョレが成功しただけで充分嬉しいからね。」(激涙。。。。)
とおっしゃって下さったのが印象的です。うちが母子家庭なので尚更気遣ってくださったのかもしれませんが、他の学生にも同様だったと思います。暖かい先生でこの時期になると、いつもオジム先生のレッスンを思い出します。

それではみんな、具体的にどんなものをプレゼントするのでしょうか?
定番は小さなチョコレートですが、お茶だったり、クリスマスのお菓子だったり、ワインだったり、色々です。特別に何かでお世話になって、プレゼントしたいな、と思っている場合は教授の喜びそうなものを日頃から考えておくのも良いでしょう。高価なものを贈る習慣は全くありません。

私が日本にいた頃、師事する先生へのプレゼントはマスクメロンかオシャレな高級お菓子+商品券でした。
しかしこれは40年以上前の昭和の体験。今の日本の現状を私は知りませんがどうなのでしょう?

しかし、所変われば習慣も変わります。
日本と同じことをオーストリアでやったら教授達はびっくりしてしまいます。入試合格後のお礼も、日本みたいに菓子折りの下に現金の入った封筒を隠して贈る、というのは絶対にNGなので気をつけてください。この入試後のお礼などについては後に書きたいと思います。