以下は、数年前に書いた記事なのですが、物価はかなり上昇したのに、レッスン料はあんまり変わっていないかな、とも思いました。
だって、私が日本に居たウン10年前でも、名もない、普通の音楽大学の教授のレッスン料が平気で3万円とかしていたので、なんかね。日本の方が割高な気はしています。
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先日、某音楽大学の教授が娘に電話をかけてきました。
かなり長く通話していたので、何があったのかしらと思ったら、プライベートでのレッスン料金についての質問だったようです。
その人は自分の音大の門下以外からレッスンを頼まれることも多く「お金を取るのもなんかなあと思い」(真面目なヒト。。。。)きちんとした金額を設定したことがなかったそうです。
しかし、多くの教授がお金を受け取っていることを知り「自分もやっぱりもらおう!」、と思ったそうです。勤務している音大以外の生徒を教えた対価を受け取るのは当然の権利なので、レッスン料を受け取るのは当たり前のことです。
そして娘に聞きたかったことは、かなり具体的で「自分だったらいくらくらい請求してOKだと思う?」でした。なんで娘に聞くのよ、とも思ったのですが、彼女は多くの教授のレッスンを受けているので、意見を聞いてみたかったのでしょう。で娘は、「あなたは音大教授の他に○○もしているし、○○のコンクールでも入賞しているし、現役で演奏をすることもできる。最低€180請求して誰も文句を言わないと思います」と言ったそうです。私から見ても、かなり正解の金額だと感じました。
その件にヒントをもらって、今日は「音楽大学の教授、もしくは超有名な演奏家のレッスン料」について書いてみようと思います。
レッスン料については、まるで語ることが「タブー」のように思われがちですが、私が、留学したい人たちに真っ先に聞かれるのはまず、この「レッスン料」のことです。入学前は払うのが当然なので、タブーも何もないと思うので書きます(笑)もう入学した自分のクラスの学生から教授がレッスン料を取ることはアウトですが、外部の人間から対価を得るのは当然のことです(が、しかし、音大校内ではかなり微妙。音大内でのプライベートレッスンは避ける教授がほとんどです。てか、現場を抑えられたら逃げられない)
*さて、私がこれから書くのはヴァイオリン・ピアノについてとなります。それ以外の楽器や学科については知らないので、別途調べてみてください。多分、以下の金額よりかなり安い、と想像しますが。。。。そして日本の音楽大学の現状を知らないので、それにも触れません。*
私の知る限りで書いてみると、ユダヤ・ロシア系・東欧の教授連は「生徒によって料金が違う」場合が多いです。
教授と同国出身だとかなりの破格だったりしますし、個人的に強い結びつきができると安くなったり、無料になることも多いです。個人同士の繋がりがとてもレッスン料に影響します。心をゆるす生徒からはお金をとらない教授も多いですが、そこまで行くにはかなり研鑽を積んで実力をつけ、友人関係近くになる必要があります。日本人間では聞いたことのない話ですね。
名のある国際コンクールの審査員をしているとか、入賞者を多く出しているような教授だと最低でもワンレッスン€200から、というところでしょうか。私の聞いた最高額は€450です。普通の国立音大の教授レベルだと、だいたい€100〜150くらいからのようです。これを安いと思うか、高いと思うか、は人によって違います。
オーストリアの教授で「レッスン料を取らない!」例がいくつかあります。私の知る数人の元音大教授は全くレッスン料を取りません。そういう教授先生達は昔の契約を持っているので、音大でのお給料がかなり高いからだ、とおひとりの先生はおっしゃっていましたが、要は「芸術を伝えるのに、金は取らない!」という、姿勢の教授もいらっしゃいます。
国立音楽大学に入ってしまえば、教授にレッスン料を別途払う必要がないのでそれは大きな特典です。夏休みやクリスマス休暇などで特別にレッスン料を請求するのも本来であれば違法です。(取ってる教授もいるらしいけど)音楽大学の授業料についてはこちらにまとめてあります。
ある教授に習っていて、本来だったらレッスン料、数百ユーロのレッスンを毎回無料で受けていると考えると、大学に在籍する、ということは素晴らしいことです。税金が有効に使われていて、血税払っていて良かったな、と、本当に思います。
日本とのレッスン料の扱い方の違い、などはこちらにありますので、興味のある方はどうぞ。