*曇り空のウィーン、市立公園の有名なシュトラウス像です。相変わらず後ろでは太極拳のようなものをしている人たちがいました*
私ははじめての生徒さんには、自作のものを多く使うのですが、この教本は買ってもらうこともあります。調べてみたら、日本のアマゾンでも購入可能のようです。ウィーンの楽器店には大抵置いてあるので、ロシアの伝統的なピアノ教本のひとつかもしれません。
何度も書いたと思いますが、ピアノでもヴァイオリンでも私にとってロシアンシューレはとても意味のあるメソッドです。ロシアンシューレといっても色々あるし、ここで書けるような簡単に説明できるようなメソッドではありませんが、簡単に言えば、美音を追求し、テクニックを作るのに無駄な回り道がない、とでも言いましょうか?
娘の初めの先生が(ヴァイオリンですが)ロシアンシューレで、そのやり方をはじめから見て納得してきたこともあって、私たちにはこのシューレ以外は考えられないくらいです。
さて、この教本の話になりますが、はじめはト音記号だけの簡単な短旋律から成っています。はじめはノンレガートで2の指や3の指を使って教えます。ここでも日本でよく言われる、この表現がドンピシャかどうかは疑問ですが、「脱力」のはじめの一歩を教える事ができます。
そしてこれも大変大切な基礎となるレガートです。ノン・レガートとレガートを初めの段階できちんと教えるか教えないかでは、その子の成長のチャンスがぐんと変わってきてしまいます。このふたつをはじめにきちんと教えないと、いわゆる、「なんか冴えない、うまそうでなく(下手っぽく)弾く」感じが、身に付いてしまうので不思議です。
ただこの教本、日本で購入できるのはドイツ語のみのようです。
ドイツ語がわかって、ロシアンシューレでご自分も習った人には、使いやすい良い教材になると思います。この教本、2巻も3巻もありますが、ソナチネアルバムとかそういうものの抜粋になるので、やっぱりはじめの1巻が使えると思います。