習っている曲って、いつ上がるの?上がったらもう、ずっと弾かなくていいの?答えは「いいえ、違います」

ピアノとヴァイオリン

私がピアノを本格的に大好きになったのは、やっぱりロマン派、ショパンなどの曲を習い始めてからです。「ああ、ずっと弾き続けていたいのに、暗譜できちゃったからもう上がっちゃった。もっと弾きたいなあ。。。」これをもう、心から思っていた物です。
残念ながら私は、良い環境にいなかったため、この問題に応えてくれる人もいなかったし、自分で解決すべきこともできませんでした。

しかし、欧州でピアノを勉強しなおしたり、我が娘が受けてきた教育を見ると、答えはすごく簡単だというがわかってきます。
暗譜ができて弾けるようになって、初めてそこが出発点なのです。

ある程度仕上げた曲は、どんどん人前で演奏し、自分のレパートリーとして大事に貯めていきます。レパートリーをきちんと指導してくれる人は、残念ながら、いるようであまりいません。

「レッスンで習った曲って、いつ上がるんでしょう?」と言う話題がどこかで上がっていましたが、私に言わせれば、終わりなんてないのです。チャイコフスキーのコンチェルトやベートーヴェンの後期のソナタ、「暗譜が出来ました。ハイ、おしまい!!!」なんて、あるわけないじゃないですか?例えばコンクールでその曲でファイナルで一位になったら、はいこれで勉強はおしまい!なんてどの演奏家に聞いたって、そんなことはあり得ない、という答えが返ってきます。保証します。

うちの場合は、趣味だろうがなんだろうが、最後まで暗譜で弾けるくらいになると、次の曲に進みますが、その「曲」は終わりません。先に書いたように、暗譜で弾けるくらいになったら、そこが「出発点」なのです。その曲が嫌いだったら別ですが、ちょこちょこ引っ張り出して弾いてもらいます。そうすると、知らないうちに本当に進歩します。大昔の曲を、レッスンでリクエストして弾いてもらう、ということがありますが、みんな弾けます。

素人の親御さんで、「同じ曲ばっかりいつも弾いているわ」と眉を顰める人がいましたが、彼らは知らないので、毎回お伝えすることになります。10日でもその曲を全く弾かなければ、あなたの子供は綺麗さっぱり全てを忘れ去り、あなたの払ったレッスン料は煙の如く消えるのです、という現実を。

趣味だろうが、専門だろうが、ハイ、暗譜でテンポで弾けたからおしまいよ、なんてことはないのです。
どんなレベルの曲でも、進歩と発見があります。そして無限大に成長できるのが、クラシック音楽の楽しいところです。