某所である方が「オーストリアで友人を作るには?」というテーマでつぶやいていらして、私も最近考えるテーマだったので、今日はそのことについて書いてみます。
私は30年以上ウィーンに住んでいます。その間、色々な国の人達と知り合ってきました。
欧州の人達、東欧・ロシア、中近東やアジアの人たちです。
そんな中、感じることは(あくまで私自身の考えなので、違う考えの人もいるという前提で)オーストリア人、特にウィーンの人達は、自分達からよそ者に対して興味を持ち、両手を大きく広げて、積極的にかまってくれる人種では、決してない、ということです。
例えば「ウィーンフィルや少年合唱団の熱狂的なファン」の日本人に対して、関係者の人たちはかなり暖かく迎えてくれますが、これは条件が違います。しっかりした共通の「興味の対象」の利益が一致しているからなのです。
ただ、そこにいる「外から来た人」に対しては興味を示してくれる人は、その人が特別に「日本」に興味のない限り、微小だと思います。
それでは、オーストリアに留学したり移住して「友人を作りたい!」と思った場合はどうしたら良いのでしょう?
留学生と言っても「音楽留学」であれば外人の学生だらけなので、ウィーン人やオーストリア人にこだわらなければ友人ができる割合は、普通の留学よりは多いと思います。
同じ門下でクラスコンサートもあるし、自分から話しかけなくても、ラテン系の学生が優しく話しかけてくれる可能性もあるでしょう。
まずは家にこもっていないで、外に出て行動をする、ということが人と知り合う秘訣です。待っていても友人は降ってきません。
大学の図書館に行くのもよし。勉強を邪魔するのはアウトですが、顔見知りになったり、入退室でスモールトークに繋がったりするかもしれません。美術館の無料の講義に行くのもよし、ドイツ語以外の語学学校に通ったり、市でやっている何かの教室を訪れるのも良いでしょう。
私はフランス語教室や、美術史美術館などの講義でいろんな人と知り合いました。
ただ、自分がここ、と思うような場所に行かないと、自分とはちょっと違うタイプの人たちばかりで、友達とは結びつかないことも多いので要注意です。行くところは選ぶ。
そしてその次のステップ、あるグループに入ったら、やっとコミュニケーションをとることができます。
私のアドヴァイスはやはり「ドイツ語能力をつける」こと。
今でこそ、ネットの影響で多くのオーストリア人が英語を話しますが、それでもドイツ語が出来るとできないとでは、友人の出来具合にやっぱり差が出てくる気がします。
ある程度ドイツ語が進歩したら、「ほら、私とあなたはドイツ語でコミュニケーションできますよ!安心してちょうだいアピール」をさりげな〜くして、自分から話しかけます。
日本人は優しいので、そのグループに新しく入ってきた人には声をかけてくれたりしますが、こちらではよっぽど魅力的な外見でもしていれば別ですが、放っておかれるのがデフォルトです。なので、「この人となら大丈夫かな?」と思える人に、自分から挨拶をしたりして話しかけるといいと思います。
その際注意するべきことは、初めから個人的なことを根掘り葉掘り聞かない、相手の外見について(例え褒めるつもりがあったとしても)いちいち感想を述べない(女優の誰それに似てる、というのも日本と違って必ずしも喜ばれないかその逆、、挙げ句の果てに「小顔ですね」なんて言ったら、「何言ってるの?この日本人」ということになるので要注意)
例えドイツ語がそんなに上手でないとしても、いつも挨拶を自分からして、笑顔で接していたら好かれるものです。まずは、挨拶を自分から、というのも良いスタートだと思います。
今、スペイン滞在の多い娘がよく言っていますが、スペインでは何もしなくても、誰も彼もが話しかけ、誘いかけてくれるそうです。
彼女曰く、「スペイン人がウィーンに留学したら、きっとみんなが冷たく思えてショックだと思う。」と言っていたのですが、そうかもしれません。
オーストリア人やウィーン人は、決して冷たいわけではなくて、用心深いだけの気質だと思いますが、知り合えが良い人達が多いです。素敵な出会いがありますように!