海外移住は、語学力赤ちゃん状態から一歩ずつ前進するつもりでやっていくと楽しい、という件

音楽留学のために

前に、語学がいかに必要か、ということを書きましたが、今日は久々に私のまったく語学のできなかった時を思い出したので書いてみます。

あれほど日本のゲーテ・インスティテュートでドイツ語を勉強してきたのにいざ、ウィーンのドイツ語クラスの上級に入学してみたら、驚くほと言いたいことが言えない。みんなが何言ってるのかついていけない。私の想像力もさすがに限界を超えました。

ショックのあまり、中級の上にクラス変えたのですが、それでも同じクラスのロシア人のおじさんが、もう訳のわからない速さで、政治論をガンガン語り、私はもう、蚊帳の外。ドイツ語以前に、日本の政治にも関心がないし意味不明。耐えきれずに中級の中にまたしても下落、そしてやっと優しいスペイン人のイケメンやウクライナ人の美人達に囲まれ、自分の居場所を見つけた、という状態でした。

しかし街に出れば、みんなすっごいウィーン訛りで通じないし、私が口を開く前から、顔をしかめて「ハァ〜〜〜?」耳に手を当てる、この仕草に心からうんざり、ドイツに比べたらウィーンの人ってなんて意地悪なのかしら、と被害妄想の塊だった時代を思い出します。(当時、ドイツでは良い思い出しかなかったからなおさら)

そんな時、パーティーで知り合ったオーストリア人の女子が「あんたはなんでそんなにはやく喋ろうとするの?ゆっくり言いなよ。」と言われてハッとしたものです。どうしても得意な日本語では饒舌でおしゃべりなため、外国語を話していても、「これも言いたい、あれも言いたい」という気持ちだけ焦って、結局通じない、という状態でした。

ああ、なるほど〜。どこかで、かっこよく話さなきゃ、とかそういう意識が働いていたのでしょう。それからは心を入れ替え(?)ゆっくり話すことにしてみたら、あらまあ、結構いけるじゃん?という感じでした。

そして、自分がドイツ語の成績は良くても(文法等で点が取れても)本当は「自分は出来ないんだ!!!」ということをきちんと受け入れ、始めから丁寧に学ぶことにしました。まずは、大切な電話をするときなど、書く。絶対に相手に伝えたいポイントは箇条書きにしてメモしておくのです。

こういうコツコツの積み重ねで、なんとか日常生活で困ることは無くなりました。まあ、もうこれだけ年月が経っているので、当たり前といえば当たり前ですが。

自分の言いたいことが言えて、それが相手に伝わり、自分の思う通りの結果になった時の喜びは今でも変わりません。一歩一歩、少しずつですが勉強していくと成果は現れるものです。語学ができないと、自分のその国での存在がなくなります。透明人間なのです。それに気がついた時は、本当に怖くなりました。
コツコツと楽しみながら、勉強していくとやっぱり楽しいので、お勧めします。