欧州と日本、ピアノなどのレッスンの違い。こちらの教授も大変な件

ピアノ塾

*写真はウィーン、ラッセルパークにあるブラームスの像*

昨日は「日本と欧州のレッスンの違い」について少し触れました。
ざっくりいうと、こちらの学生は教授に対して質問をすることは普通だし、思ったことを伝えることも普通だということです。

今日は、その、ちょっと行き過ぎた例をご紹介。

某欧州の音楽大学で、ある楽器の教授が入学試験である男子学生を自分のクラスに取りました。まあ、ソコソコ弾けるし、見た目も可愛いくて感じが良さそうだし(人間なので、こういう判断もある)「いいかな」と思ってクラスに取ったそうです。

しかし学期が始まってみると彼、アルバイトばっかりして全然練習してこない。レッスンも無断欠席とかしちゃう。

教授は何回も忠告したのですが、一向に改善の見込みなし。
もう耐えられない、と思い自分のクラスから出てもらおうと彼に伝えました。

「この状態が続くのであれば、悪いけれど私のクラスから出てちょうだい」
すると、彼、深刻な顔をして

「ナタリー(仮名。欧州ではクラスによっては教授が提案すればファーストネームで呼ぶ例もある)大丈夫ですよ。2人で力を合わせれば何とかなります。諦めずに頑張りましょう!」

と言ったそうです。

言われた彼女は文字通り、目が点になったそうです。
「私が何を頑張るのか。。。。?」と

笑っちゃあいけないのですが、甘やかすとこういうことになることもあるようです。
その彼、その後の数ゼメスタを(相変わらず練習せずに)粘り続け、2年後には晴れてよそのクラスに行って、その教授は一時の感情で生徒を取ることをやめたそうです。(ちょっと自業自得)

もうひとつは、巨匠をなめると痛い目に遭うよ、という例。

某ヴァイオリンの当時の巨匠クラスのマスタークラスにある青年が参加しました。
彼は自信満々でバッハの3番パルティータのプレリュードを爆速で演奏し、絶賛されるのを待っていたようでした。しかし、この巨匠は褒めもせず、指使い、弓使いの変更を提案し、バッハのテンポについて、などなど、何が大切かを説明なさいました。

もちろんその青年は面白くありません。
ああだこうだと言い訳をして、素直に変更する様子が見られませんでした。
この青年がそれを狙ったかどうかは別として、

「巨匠に反抗して、勇気ある才能のある青年だということをみんなの前で示したい。自分のレジェンドを作りたい」
という様子が見えました。(こういう学生はたまにいる)

巨匠は怒りもせずに平静で

「人のいうことに耳を傾けようという気持ちがなければ、その人に前進はありません。私に習いたいという気持ちがないのなら、双方にとって時間の無駄です」

マスタークラスを聴講していた全員、心の中で大拍手を送ったものです。

その後彼は反省したらしく、何度も謝ってプライベートレッスンをお願いし、教授のクラスに取ってもらえるまで半年以上かかったと思います。
変に自分を売ろうとする計画があり過ぎたり、無駄に頑固である行動は簡単に見透かされてしまいます。

本当に国によっていろんな人がいるものです。
日本にはこんな変な学生があまりいなさそうなので、先生達は幸せかもしれませんね。