ピアノもヴァイオリンもスケールがめちゃめちゃ大切で、教え方によっては思ったよりずっと簡単、という件

ピアノとヴァイオリン

私は生徒がいくつであろうと、初心者だろうと、かなり早い時点でスケールを教えます。
スケールとは音階、ドレミファソラシドの事です。私の幼少の先生は、うちの母同様たぶん、教える力のない人だったと想像できるので、わたしがやっとスケールというものに出会ったのは、ハノンのいっちばんはじめのドミファソラソファミから始まって、やーっと後ろの方に出てきた時です。しかもいきなり3オクターブ!いきなり両手、なに考えてるの?って感じです。このように初めてのスケールとの出会いがこんなだと、そりゃあだれだって嫌いになります。

どんな初心者にでもスケールは弾けます。大切なのは教え方です。
C-Dur(ハ長調、以下、日本語では表示しません)ドレミが右手で指番号は1・2・3。こんなの3回くらいレッスンしたらこのくらい、猫でも弾けます(弾けません)
そこから親指をエレガントにくぐらせ、ファソラシドを1・2・3・4・5で弾いたらさあ、出来上がりです。もちろん亀のテンポでノン・レガートで右手だけから始めます。5の指までいったら、そこから5・4・3・2・1・3・2・1、と帰って来ればよろしい。なんて簡単。1オクターヴのスケールの出来上がりです。
そこからは様子を見て、右だけでC-Dur、G-Dur、D-Durと増やしていきます。それから左、最後は両手で1オクターヴ、生徒の出来によってゆっくり要求を増やしていくのです。

スケールができるとなにが良いのでしょうか?
考えてみてもください。ピアノでもヴァイオリンでも古典派のものは特に、おおくはスケールとアルペジオで成り立っているのです。スケールが全調美しく綺麗にえんそうできれば、ソナタ等、クリアするのに超早道なんです。だからやった方がよい。やらなければいけないのです。

ヴァイオリンにしても同様です。
大人になって、もう、それはもう、これはどうしちゃったの、これからどうするのあなた、と思うような悪い音程の人は必ずと言っていい程、スケールとアルペジオの練習をしていません。これだって、いきなりカールフレッシュのめんどくさいものを与えられれば嫌いになります。幼い頃から解放弦で音程を確認しながらスケールやアルペジオをやっていないと、大人になってからはかなり難しいものです。

ピアノに話を戻します。
スケール、アルペジオが全調おちゃのこさいさいに出来ると、もっと素晴らしいことがあります。
譜読み・初見がバカ早くなります。もちろん現代曲なんかはむずかしいものですが、それでもメロディックな曲ならば譜読み・初見共にかなり早くできるようになります。
(これについては別途かきますが、私は一時期、ハノンを(ドミファソラソファミ)を毎日全調で弾いたことがあるのですが、その後ありえないくらい譜読みと初見がはやくなりました。なにが起きるって、手の中の鍵盤がもう、自分用に御用達できてる感じになるのです。騙されたと思って、これも試してみてください)

それと、これもメロディックなものにかぎりますが、ちょっとコードを勉強すると伴奏付けも魔法にかかったようにできるようになります。

さて、この素晴らしいスケール。可能であればできるだけ早い時期に導入してあげると親切です。試してみてください。