ピアノの先生の皆さん「体験レッスン」を無料で提供していらっしゃいますか?私はNo。

ピアノとヴァイオリン

日本でピアノの先生をやっているお友達数人とお話しして、以前話題に上がった件です。
ピアノの先生のみなさま「体験レッスン」を無料でなさっていますか?

自分のことから話すと、よっぽどの例外でない限り(異常なほどお世話になった人の紹介など)私は無料ではやりません。

なぜなら、9月の新学期には、数人の「お初」の生徒さんが私にコンタクトを取ってきて、その年にもよりますが、その数だけでも結構な時間になります。私には既存の生徒さんたちがいるわけで、その間を縫って「体験レッスン」をするのですが、その時間を取るのはやっぱり大変です。

それだけならともかく、初めてのレッスンだろうが、あちらにやる気があろうがなかろうが、その初めてのレッスンで私は「レッスン」をします(当たり前のことだけれど)
ご挨拶をして、おしゃべりをするだけではありません。

お相手があまりにも若く(良く言えば)まるで理解していていないような赤ちゃんの場合は別ですが、そうでなければ、私のところを離れた時には、今まで知らなかった情報を私から得て、帰るわけです。よって、次のレッスンに来る気があろうがなかろうが、私は何かをきちんと教えたわけです。だから、全然悪いことではないと思っています。

オーストリアではこの体験レッスンを「Schnupperstunde」と呼び、頭から無料、と思っている人が沢山います。無料で教える因習のようなものが、確かにあります。「お客さんがわざわざあなたの所にお試しに来るんだから、初めは無料で当たり前よ」みたいな感じです。だから、普通のオーストリア人の人がお試しレッスンに来る場合は、あらかじめ、きちんと私の方針を説明しなければならないのですが、多くの外国人の生徒さんの場合は、私が言わなくても、レッスンの後、「今日のお題はおいくら?」とご自分からおっしゃる親御さんが100%です。何も言わずに帰る人はいません。

実際の話、ありがたい話、私のところに来てお試しレッスンをして「やっぱりやめます」というのはかなり稀なのです。電話でレッスン料金もあらかじめきちんとお伝えするので、「やっぱり高いのでやめます」もない。この料金の件ですが、お金のことを話すのはなんとなく嫌なのですが、これは避けて通ることはできません。初めから明確にお伝えするべきです。

話がずれましたが、日本のお友達先生から、SNSで知り合った人が体験レッスンをして、その後なんらかの理由をつけて、やっぱりやめちゃう、というお話を耳にしてこの件について書こうと思いました。

SNSで知り合った場合、その先生と知り合ってみたい、その人なりに個人的に会って知り合いたいというような、興味本位で近づいてくる人もいるかもしれません。そんなお話を聞いて、やっぱり始めから有料がお互いのためには良いのでは、と思った次第です。

教師と生徒さんの出会いはやっぱりご縁です。お金が発生しても、成り立つ時は成り立つべくして成り立つのです。きちんとしたものを提供できるのであれば、初めてだろうがなんだろうが、きちんと代価は頂いた方が良いな、と私は思っています。