ピアノやヴァイオリン、たくさん練習をしても、手や腕を痛めないための日頃のメンテナンスは大切という話

ピアノとヴァイオリン

一度あの、忌まわしい、ばね指を経験してから、私は練習にとても用心深くなりました。
もう、あんな思いはしたくない。あの経験から学んだことはたくさんあります。まずざっと書いてみると、

  • 痛くなってからでは遅い!とにかく「痛くならないように」日頃から気をつける事が何よりも大切だということ。

ピアノの練習の仕方のほか、日常生活にも腱鞘炎やばね指の原因となるワナはあちらこちらに仕掛けられています。まずは、

  • 重いものを極力持たない。

若いうちは特に、平気で10キロの荷物を運んだりすると思いますが、これは絶対にNGです。年を重ねたときに、どーんとくる可能性があります。私のばね指の原因は、マスタークラスの行き帰りでの重いトランクを持って走り回った、これでした。
以来、重い荷物は絶対に持ちません。ウィーンにいると、ベビーカーを抱え、階段で助けを求めているお母さんとかよくいて、昔は積極的に手を差し伸べていたのですが、今は「ごめんね!私、できないの!!!」と断る勇気を持っています。そしてあまり思いつかないかもしれないですが、

  • 手や手首に変に負担のかかる行動をしない。

例えば、開けにくい瓶を開ける、とかそんなことにも危険は潜んでいるのです。絶対にやらないこと。私は息子に開けてもらいます。息子は楽器弾かないので!

  • ショルダーバックや偏った姿勢になるバックは持たない。私のバックはほとんどユックサック形式のものです。

毎日のメンテナンスも大切です。
イタ気持ち良い程度の、小さなストレッチを行う。痛くなってからストレッチをしてももう遅いです。日頃のストレッチが大切です。ヨガも瞑想もかなり良いです。そして何よりも大切なのが、

  • 練習中に常に注意すること

息をつめて、長時間ぶっとおしで弾きまくらない。
こんな練習をしたら、どっちにしても上達しないのですが、気分が乗っちゃって、ガンガン弾いたり、そういうことはこの歳では絶対にアウトです。若い人でも気をつけた方がいいかも。一回痛める癖がつくと、残念ながら繰り返す、という現実があります。

練習中、常に「どこかに力が入っていないかしら?」と意識的に自分を確認する癖をつけることは大切です。特にヴァイオリン。ヴァイオリンはかなり不自然な格好で演奏するものなので、特に注意が必要だと思います。

繰り返しますが、他の病気と同じで、病気になってから治療するよりも、その病気にかからない努力が大切です。
それでも痛みを感じたら、練習をストップする勇気を持ちましょう。無理をしては絶対にいけません。人生は長いので、ものの数日はいくらでも取り返せます。大切な舞台があろうと、コンクールがあろうと、諦めた方が絶対に良いです。

だからまずは日頃から上記のことを気をつけてみてください。
痛みなく、気持ちよく練習できる毎日が続きますように。