面倒くさい子供でも、時間が経つと変わるので面白い、というおはなし

ピアノとヴァイオリン

その男の子が一番初めにうちに来たのは、約4歳の時でした。
日本の子供は2、3歳であっても芦田愛菜ちゃん(さん)さながら、頭が良くて、おしゃべりも大人顔負け!という子がいますが、こちらでは(とざっくり言って良いのかも疑問だけれど)子供はまだまだ、「子供」という感じです。

その子はいわゆる「簡単でない子」でした。
はっきり言えば、お母さんが「この子、めんどくさいんです!!!」という通りの子でした。レッスン中でも、お母さんが彼をみていなかったりするとプッと膨れてしまうし、私も「はい、しばらくレッスンはお休みにしましょう!やっても無駄!!!」と提案し、数ヶ月お休みをしたこともありました。

しかしまあ、彼が小学生に入り、かなり変わってびっくりです。
まず、身体が大きくなったので手・指の力がついたこと。昔は脱力どころか、初めっから全て脱力w。指はぐにゃぐにゃパスタで、ピアノどころではない感じでした。

今は何を教えても好奇心を示します。
簡単な曲ですが、自分の好きなメロディーだと、頼みもしないのに弾きながら大声で歌う。

ピアノを使って音程を教えると、それはもう楽しそうに、あっという間に覚えて、音程問題だけだったら、入試に受かるかも〜みたいな感じです。ドから長三和音を弾いて、その上にドから短七の音を足してごらん、と言うとできるので、この4つの音の塊は何?というと「属七の和音」(すべてドイツ語でやるけど)ときちんと答えられます。

彼が音大に行くはずもないので、無駄とも思われるかもしれませんが、この歳でこういう基礎がわかっていれば、将来コードで好きな曲も弾けるようになるし、良いことです。属七の和音なんてセブンスですからね。全部暗記していて損はありません。

音の羅列をパズルのように組み合わせ、自由自在に操れるようになったら、それこそ、多くの親御さんが望むように「ピアノを楽しめるようにさせたいんです!」という望みが叶うことでしょう。

しかし、子供は変わりますね。男の子は本当に、ガラッと変わるので驚きです。