頭の良い子がピアノ(ヴァイオリン)を習うと、どうして上達が早いのか、のお話

ピアノのお部屋

*ウィーン市庁舎前のみごとなチューリップ*

もっとざっくり書くと「学校の成績が良い子は、ピアノ(ヴァイオリン)も上手い」というのは本当か?というお話です。

私の現在の生徒さんは、例外なく、全員、通う学校のレベルも高く、成績がかなり良いです。
私自身が子供だったときは、学校の成績なんて全然良くなかったし、嫌いな教科は特に赤点のオンパレードでした。ピアノは大好きだったので一生懸命にやっていたのですが、とにかく学校の勉強は英語以外は嫌いだったので、逃げる毎日で本当に嫌でした。なので、もう、生徒さんたちをみていると、時々、私とは全く違う部類の人間のように思えてなりません。

しかし考えてみれば当たり前のことかもしれません。

彼らには、ピアノも勉強も伸びる条件である「好奇心」が溢れるようにあるのです。「知りたい」という気持ちと「なぜ?」と感じることを解決する楽しみと喜びを知っているのです。だから全てうまくいく。

私は勉強に興味を持つきっかけが、まるでなかった記憶しかありません。ただただ、嫌なものだ、と思っていました。全て環境のせいにするのもなんですが、そうだと思います。私の生徒達は、上から押し付けられることなく、興味を持ったことを伸ばせるような家庭環境で育っているのです。本当に羨ましい。

さて、今日もそれを感じるようなことがありました。

12歳の中近東出身のお嬢ちゃん。大好きなソナタの3楽章を始めたのですが、レッスンに来るなり、嬉しそうに、

「ほらほら、ちょっと発見!こことここのフレーズは同じ、そして左手のパターンもこれとこれが一緒でしょう?。でね、ここは悲しいグループになっているけれど、こことシャープの数は一緒なのよ(それは平行調というんだよ。。。)でね、この真ん中の左手ははじめと全部同じ音なの。でもパラパラになってるの(分散和音)で、ここはもうひとつメロディーが増えてるのよ(二声になってる)だからこの部分の暗譜をするのは簡単ね。それでね、。。。。」

この、趣味で楽しく、しかし真面目に試験があろうと何があろうとレッスンに通い、「楽しいから」自分から練習するお嬢ちゃんは、音大志望とかそういうのではありません。

「あなたが今言った事を、まとめて音楽用語で説明したら、ウィーン国立音大の入試のソルフェージュ、受かるよ」と言って笑ったのですが(実際、そんなに難しくないんだがw)自分から興味を持ってこうやって分析するって、素晴らしくないですか?これだなあ、とつくづく思います。

新しい個所をレッスンして、パパが迎えにきて、ピアノの後は元気にテニスのレッスンに向かいました。

趣味でピアノを楽しむ、お手本のようなケースだと思いました。

プロになるにしても、この「楽しむ・好奇心」を満たす、という要素がなければ、毎日なにやってるんだ、ということになります。ピアノやヴァイオリンであれば毎日数時間練習するなんて、当たり前の話です。それを好奇心と探究心をも持って臨むから、苦痛だけではなくやっていけるのだと思います。もちろん、楽しく練習しているだけでは絶対にソリストにはなれません。当然のことです。

ということは、何がいいたいかというと、問題は「ピアノを習い始めたら、『嫌な練習』を数時間やる事に慣れて、『嫌な事でもやり通す根性』がつくので、勉強もできるようになる」というのではなく(まさかこの現代にそんな事を考える人はいないと思いますが)勉強でもピアノでも伸びる子供は「好奇心があり、問題を解決する事に喜びを感じることのできる」子供たちだ、ということです。

いろいろなプロセスを踏んで、結果、そうなった、という現象も起きるやもしれませんが、「ピアノやヴァイオリンを習えば東大に行ける」みたいな単純なものでは無い気が、私はします。