「子供にピアノを習わせたいのですが、電子ピアノじゃダメですか?いいですよね、はじめの数ヶ月くらい!」って親御さんがいる件

ピアノとヴァイオリン

9月になると生徒さんの紹介でいくつかのお電話をいただきます。「うちの子も教えてくださいな」という定番です。私の生徒ちゃんの親御さんが私の事をとても宣伝してくださるので、本当にありがたいことです。いか、以前にも書いたことのあるお話なので、覚えていらっしゃる方も多いかと。。。

去年の今頃、新しいお母さんからお電話を頂きました。

「まずはお顔合わせをして、それからお互い合うかどうかをみて、それから決めましょうね」と私が言っているのに、「絶対に合うに決まってます!月曜日の4時、うちに下さい!!!」とすごい押し。ありがたいけれど、まだあなたの子供が私を好きかどうか、わからないじゃない、とも思うけど 笑

今日のテーマの文言は、私が彼女に「ところで、お宅にアコースティックの(本物の)ピアノはありますか?」という私の問いに対して、返ってきたお返事です。

「電話でお話ししてもピンと来ないかもしれませんから、お会いした時にご説明しますね」と言ったのですが、続く言葉はこれでした。

「はじめっから子供に大きなプレゼントをあげるのはちょっと考えちゃって。ピアノはクリスマスプレゼントにしたいんです。初めの数ヶ月くらい、うちにある古い電子ピアノでいいですよね!」

とはこのお母さんのご意見なのですが、まず私がお会いした時にいう言葉は、きっと以下の通りです。

ピアノは、アップライトにしても、大きな買い物です。大根やきゅうりを買うのとはわけが違います。とてもよくわかります。でも、経済的に余裕があって、お家にピアノをおく場所がある場合は、まず、アップライトピアノをリースすることをお勧めします。そして、お子さんがピアノを続けそうであったら、購入してください。

「どうしてはじめからアコースティックのピアノが必要かというと、それは私が教えるのはキーボードではなく、クラシックのピアノだからです。クラシックのピアノは、キーボードではなく、本物のピアノで演奏します。そして何よりも大切なのは、その「音色」です。キーボードは誰が押さえても同じ音が出ます。ただ、キーボードを押さえるだけのレッスンであれば、私以外にもっと安くてリーズナブルな先生はたくさんいます。キーボードしかおうちにないのに、私のところにレッスンに来るのは、時間とお金の無駄になります。それでも私に習いたいですか?」

実際、私の言うことに納得してくれて(実際にうちに来て見せないとダメ)即リースしてくださったご家庭は、生徒さんの上達の速度が全然違います。(まあ、子供の場合は基本、キーボードの子は取らないんだけれど。大人は百歩譲って、ヤマハのこのクラスなら絶対にOK)

私の説明で納得するかしないか、ここでお子さんの運命が別れると言っても過言ではありません。もちろん、経済的にピアノをリースしたり、購入したり、はたまたおけるスペースのないおうちのご家庭には強要しないのですが、そういうご家庭は、ピアノを続ける、という事態、本当の話、難しいのです。。。。やっぱりある程度の余裕のあるご家庭でないと、ピアノとかヴァイオリンをずっと習うということは日本ほどでないけれど、きつい。。。。結局やめちゃう人が多いのは、残念なことに、経済的な理由も多いのです。その場合、クラシックのピアノではなく、楽しくキーボードをどっかで習う方がベストな気がします。キーボードだって弾ければ断然楽しいです。

でも、今考えると、うちの生徒さんの親御さん達、きちんとはじめからピアノを揃えてくださって、私の言う事を理解してくださって、ありがたいなと思います。

今でも「素晴らしいアドヴァイスを頂いて、うちに素敵なピアノがある生活を送れて、本当に感謝しています」と親御さんは言ってくださいます。だって、きちんとしたアコースティックのピアノがリビングにあれば、パーティなどの時、子供が立派に演奏して注目の的です。ああ、レッスン料を払い続けてよかったな!と親御さんも実感できるのです。子供も演奏を褒められて大満足です。

騙されたと思って、経済的や場所的に問題ないのであれば、きちんとしたピアノを調達して、ピアノを習ってみてください。