「褒めて育てる」は、ケースバイケース 良くない場合がある、というおはなし

ピアノとヴァイオリン

勝間さんの短いYouTubeはとても勉強になることがあって、いつも拝見しています。
今日、ああ、これは器楽の教育においても言えることだなあ、と思ったのでちょっと書いてみたいと思います。その動画はこちらです。

昭和時代みたいに、自身や身内を謙遜で塗り固め、「叱る」ことを極端に美談にする、というのは古いのですが、「褒めて育てる」という教育方法は現代の日本でも多く取り入れられてきていると思います。

この「褒めて育てる」教育は欧米に多くみられます。日本から来た私にしてみると、「本当に私の息子って音楽的な才能があるの」としらっという親御さんを見て「はぁ?大丈夫?」と思うことも多いです。でもまあ「褒められて子供は伸び伸びして幸せねえ、ちょっと親バカっぽいけど!」と思うことももちろんあります。

しかし、彼女の言う、
「出来てもいないのに、間違っているのに子供を誉めてしまう危険さ」の文言に首振りぶんぶん、膝うちバンバンになりました。
本当にそうです。そういうのをこの音楽の世界で多く見てきたなあ、と思いました。

舞台に上がって、練習不足で間違えだかけ、上手く演奏できなかった自分の子供に対し「なんて素晴らしい演奏だったんだ!これはもうセンセーショナルだよ!」と褒めちぎり、周りの人にも褒めさせる雰囲気に持っていって、絶賛する。おまけにご褒美まであげてしまう。(これが趣味ならまあ、いいですが、しっかりとした「専門」の話です)

これをするとその子はどうなってしまうのでしょうか?

ふつーに「裸の王様」になるのですが、具体的にはもっと恐ろしく、プライドばかりが増殖し、良い結果が出なかった時に、その肥大化したプライドを守る為、人のせいにするようになるそうです。そして自分からはチャレンジしようと(努力しようと)しない人間になってしまう。

これは本人が不幸なだけではなく、周りにも被害をもたらすことになってきます。
だから、悪い結果であったのに、それがあたかも素晴らしかったかのよう褒めちぎる事はNGだ、ということです。

もちろん、一生懸命に努力して、その結果、上手くいかなかった場合は、その努力を褒めることは必要です。しかし、白でなければ行けない所を自分の怠慢から黒にしてしまった場合、それを褒めるのはいけない事なのです。

かなり腑に落ちた気がしました。
私は日本人なので、子供を滅多やたらに褒めない、いや、あまりにも褒めてあげなかった教育だったと思うので反省するところが多いのですが、逆の場合の方が怖い気がして、納得することになりました。