これは、ひょっとしたら多くの先生がアルアルしてくださるかも、と思いながら書いています。
かなり昔の話です。今は初めのレッスンで、危なそうな親御さんにはくれずれもお願いするのでもう、この問題はもうないのですが。。。。
うちに来たての新しい生徒くん。
「次もやってきました」
とかいうから、「あら、偉いのねえ」なんて言いながら弾かせてみると、すっごく変な弾き方をしたりする。
私が教えたことを全くしないで、教えなかった変な弾き方をする。具体的にいうと、私はそんなことを教えていないのに、1の指を完璧に「ド」の位置に固定している。左手も1の指が「ド」の上に固定されている。最もやばい固定奏法。。。。。
よくよく聞いてみれば、「ママがこうしろって。。。」そうだと思ったよ、です。
こういうことが起きるのは、習いたてのちびっ子や小学生、中学生。
素人の親御さんよりもっと厄介なのは、子供の頃にピアノを習っていた経験があって、ソナタくらいは弾いた、結構自分は教えられる、と勘違いをしている親御さんです。もちろん悪気があるわけじゃないのです。レッスンで子供が褒められることを期待して、家で特訓しちゃうのです。
これは本当に教師泣かせです。なんで家で変な弾き方の癖をわざわざつけるんだい。
ただ、指でその音を押すことが出来るだけが目的ならば、キーボードというものをどっかに習いに行けばいいし、私のところに来る必要なんてありません。それ以来、初めのレッスンの時に「家で奏法に関する一切をしないでほしい」とお願いしています。リズムとかこの音は何?くらいだったらいいですが、口出し禁止をお願いしています。本当に、それだったら全く練習しないでうちに来てくれる方がよっぽど良いのです。
しかしその前に、実はあることを確認することにしています。
親御さんによっては、「レッスンで子供が褒められる」以外の理由がある場合があるからです。何かというと、ピアノのレッスンを親子のコミュニケーションのきっかけにしている人がいるからです。
「ほら、お母さんはピアノをあなたに教えられるのよ、先生と同じ、もしくはそれ以上!」と示して、尊敬を求めて、コミュケーションを深める。嘘みたいですが、こういうケースは結構あるのです。特に子供が反抗期で関係がうまくいっていない家庭にはあったりします。子供の方はというと、「うるさいなあ、嫌だなあ」と思っているのですが、親が怖いので一応いうことは聞いて、変な奏法でうちにやってくるわけです。
その場合は、ピンと来るので、きちんとおはなしして、親子ともにどうしたいのか確認します。
「お母さんに習いたいのであれば、それは素晴らしいこと。でも2人の先生というのは無理だから、お母さんだけに習いましょう」とするか、親御さんの目的が、子供とのコミュニケーションではなく、「子供がピアノを私の元で学んで上手になる」という本来の目的であれば、うちにつづけて来る事、と選んでもらいます。ピアノのレッスンをそんな手段に使われては、私は困ります。
私の仕事はピアノを教えて上達させることです。もしくは、音楽の喜びを知ってもらって、ピアノを人生の友にすることです。
カウンセリングまがいのことは全く専門外なので、絶対にタッチしません。親子関係のお手伝いなんて専門外です。
ピアノを習いに来るか来ないか、私の関心はそれだけなのです。
で、何が言いたいかというと、ピアノもヴァイオリンもお勉強と同じで、予習よりも復習が大切です。
何年も習っている学生ならば別です。自分でどんどん先を見るのもよろしい。しかし、習いたての人の場合は予習なんかを自己流でやるよりも、習ったことをきちんとすべて消化してくれる方が上達します。これは鉄板なので、親御さんも先走らない方が、結果は早道なのです。