マウント取りはくだらないよ、というお話

ピアノとヴァイオリン

X(旧Twitter)でお友達が書いていて、私も思い出したので少し書いてみます。
(今日のサムネイルはその時の受賞者コンサートの時の写真。なんと懐かしい、20年近く前のお話です)

ムスメが6・7歳くらいの時のお話、夏恒例だった、イタリアのジュニアコンクールに参加した時のことです。世界各国からちびっこが集まり、試験が行われました。楽屋では子供に付き添う親、その教師などでごった返していたのですが、イタリアという場所とは思えないくらい、ピリピリした雰囲気でいっぱいでした。今思うと笑っちゃうけど。。。。

プログラムには誰が何を弾くか等記載されていて、多分それを見たのであろう小さい女の子が、ムスメもその子も弾く曲を弾きながら、ずんずんずんずん私達の方に向かってきました。

顔はめちゃめちゃ怖くて、「あんたになんか負けないわよ、ほら、あたし上手なのオーラ」ビンビンでした。私と娘は目が点。
ムスメと同じ曲を弾くその子は、燃えていました。私の脳内BGMはあの、スピルバーグ監督のサメ突撃映画である「ジョーズ」のテーマ曲が響きました。

今思い出すと爆笑ですが、当時は驚きました。あれもマウントとり?ていうかもう、挑戦?挑発?喧嘩売ってる?

一緒に参加した同門の母親であり、私の友人の彼女は、

「ひどいわよ。あそこのあの親(と別の親をさして)うちのアンナ(仮名)のヘアスタイルだけ褒めるのよ。金髪が綺麗だって。で、ヴァイオリンのことは全く言わないの。演奏を聴いているのに。(しかもめちゃめちゃ上手いのに!)でね、『うちの息子はこの夏、〇〇コンクールも〇〇コンクールも受けて、ツアーみたいで大変なの。私、ドイツの音楽学校で教えてるから忙しいのに、才能ある息子を持つと大変だわ〜』とかいうから、『私はウィーン国立音楽大学のピアノ科の教授なの』って言ったら(事実)逃げてったわ。本当に親って、バカ」なんて言ってたし、子供時代はいろんな親と遭遇するものです。

どこの音大科を巡ってのマウント取りー

これが話題の発端ですが、やっぱり藝大ピアノに入るのはすごいよね、と正直に思います。欧州で多くの藝大卒や現役の人のピアノ演奏を聴きましたが、上手い人ばかりで素直に脱帽です。
でも私の知る藝大ピアノ科の人がマウントを取っているのは見たことがないので、やっぱりそういうものでしょう。本当に上手い人は威張らない。

日本には入学試験というものがあるので、有名音大に入るのが難しく、だからマウントを取りたくなる気持ちもわかります。

こちらの場合は、音楽大学のブランドよりも、「どの教授のクラスに在籍しているか」が重要になります。メジャーな国の音大で、一応日本人にはカッコよく見えても、無名かつ実際に上手な人のいないようなクラスでは、こちらでは誰も羨ましがってくれません。本人が満足してれば、羨ましがられる必要なんてないのですが、ここが日本と大きく違うところです。

自分が師事したい教授のクラスに在籍し、自分の理想である学び方ができて、その道で生計を立てようが、他のモノになろうが、幸せは人それぞれなので、それで良いのです。

だいたいマウントを取りたがる、という時点で何かしらのコンプレックスがあるわけなので、意味のないお話なのです。無意味なマウントを取られたら、「へー、そうなんだー」とか言って、生暖かい目で見守り、相手にしないのが一番です。さきのイタリアでの子供なんて可愛いものです。