ピアノのレッスン 指の独立を目指すための練習 (1)老化防止にも最適

ピアノとヴァイオリン

さて、今日は指の独立のためのちょっとしたエクササイズをご紹介したいと思います。これは私が数人の教授から教えていただいたやり方です。教授によって、ちょっとだけおっしゃることが違ったりしましたが、大体以下の通りです。興味のある方は、試してみてください。

用意するもの
アコースティックのピアノ。
私はこれを電子で試したことがないので、ひょっとしたら出来ないかもしれません。ずっと音が鳴りっぱなしになるかもしれません。腕や手の負担も大きいかもしれないし、残念ですが、わかりません。アコースティックの場合、アップライトのピアノよりもグランドピアノの方がやりやすいです。なぜなら、鍵盤をゆっくりおさえてみると「カクン」となる「とっかかり」があるから。

さて、どうするかというと簡単でして、まずは右手からです。

中央「ド」に1の指を置き、順番に「レ」の指を2で抑え、「ミ」を3の指で抑えていきます。簡単にいえば、1から5の指を「ド」から「ソ」まで、全部の鍵盤をゆっくり、下におろします。グランドピアノであれば、全部の指を静かに無音で下におろしてください。

それができたら、次は2・3・4・5・の指を下ろしたまま、1の指で、ド・ド・ドとゆっくり弾いてみます。

この時に大切なことは以下の通りです。
絶対にゆっくりのテンポでやること!

ゆっくり、死ぬほどゆっくりのテンポで指を下に下ろすだけにします。決して強く叩いたり、早く弾いてはいけません。お風呂に入って、子供が、いーち、にーー、と数えるようなテンポでお願いします。

絶対に強い打鍵をしないこと!
小さい音で充分、絶対にフォルテでやらないでください。

指だけを動かすこと!
腕も手首も大げさに使ってはいけません。指をおろすことに集中します。指を上げて、下ろす、という行動もミニマムにします。下ろすだけで充分です。どんな感じですか?

このくらいなら大抵の人はできると思います。ピアノ初心者には難しいかもしれません。これを全指順番に行います。

1から5の指、全部の鍵盤を抑え、次は、2の指、「レ」だけをゆっくり弾いてみる、という具合です。4の指になると難しくなってきます。

これらを、例えば全指を下げたまま、ドレドレと弾いたり、ドミドミにしたり、左手でやってみたり、など色々変えていくわけです。調も変えてDes-Durでやったりもします。それらはまたのちに説明しますが。。。。。

さあ、ここまで読んで、ピアノを専門に勉強した方なら大抵わかると思いますが、これはアルフレッド・コルトーのピアノのテクニックの本への導入ともなります。またはドホナーニも同じようなテクニックの教本を出しています。
コルトーのテクニックの本はこちら

ドホナーニはこちら

ご紹介はしましたが、この2冊、買ってみるとわかりまずが、専門の人でもちょっと、「全部できるわけないじゃん!!!」となります。とにかくバリエーションが多く、呆然とするかもしれません。やり方もそれぞれで、教える教授によって、おっしゃることも違ったりします。いずれにせよ、独学はかなり難しい(無理だと)思います。専門を目指す人は、避けて通れない道のようですので、研究することをお勧めしたいです。

何度も書きますが、間違っても強く打鍵したり、速弾きをしないでください。それらはなんの効果もなく、カッコウ良くもなく、ただ、腱鞘炎になるだけとなります。しかし、上の条件を守ってやってみると、(または指導者の方に伺ってみてください)これはもう、指の独立にバッチリ効果があります。私は当時、先生を変えた時に、彼女の指示でこれらをコルトーの教本を使ってやりました。もちろん抜粋でしたが、毎日、決して無理をしないで数年間やりました。効果、大です。10分でもOK、正しいやり方で続けることに意義があります。

あと、この指の運動は老化防止に絶大な効果があると思います。ピアノを弾かない人にも、机の上で何気にやるだけでも、良いんではないかな、と思ったりします。

次回はもう少し先を説明してみたいと思います。