今更ですが、「留学のすすめ」外に出て多くの経験を重ねると、やっぱり楽しい、というお話

ピアノとヴァイオリン

娘は現在ウィーンからマドリードに留学中です。
私のように東京からウィーンという距離に比べれば、たった2時間のフライトで何が留学だよと突っ込みたくもなりますが、まあ、一応留学です。

生まれて初めてひとり暮らしを経験し、違う言語の中で、違うメンタリティーの友人を作り、楽しいことや苦しいこと、えええ〜っと驚くことの連続で、それでも元気よく、かなり楽しく充実した毎日を送っています。

うちは母子家庭だし、外国で大学に行くのは予算的に絶対に無理、と思っていたのですが、奨学金の助けでなんとか出してよかった、と結果的には思います。

ウィーンは音楽の都だなんだ言われますが、別にウィーンに全ての素晴らしいクラシックの環境があるわけではなく、それは世界中に散らばっています。

ムスメの場合は、師事したい教授を追いかけての留学なので、スイスとマドリード、ウィーンをぐるぐる回っている感じです。たまたまこれらの国、というわけで、別に国で留学を選んでいるわけではないのですが、この偶然がまた素晴らしい。

スペイン人のメンタリティはスイスとまた違うし、ウィーンもまた全然違います。多くの刺激があります。ありがたい出会いも、幾つあったことか。

で、何が言いたいかというと、やっぱり留学はできればした方が良いな、ということです。

特にクラシックを学ぶ場合、地続きの欧州には多くの教授が存在し、たくさんの可能性が出てきます。具体的に教授や学校選びは個々に選ぶのですが、その選択によって、行動範囲は大きく広がります。

私の場合は、東京から欧州に移動したので、その刺激や影響は娘とは比べ物にならないほど大きいです。
言語ひとつとったって、日本語からドイツ語や英語ができるようになるのは、ドイツ語が母国語の彼女がスペイン語や英語でコミュニケーションをとるより、何千倍もストレスがあります。

メンタリティにしたって、日本と欧州の差に比べれば、オーストリアとスイスの差なんて小さい小さい。

だから尚更、日本からの留学は人生の大きなジャンプになります。もちろん、その人の行動力によってかなり可能性は変わってきますが、私の場合は人生ががらっと変わりました。初めの数年はもう、わからないことだらけで大変でしたが、こちらの生活の方が長くなり、本当の意味での「我が家」はウィーンです。

人によって、「外は嫌」という人もいると思うので、出ることを強く勧める気持ちはありませんが、迷うくらいだったら思い切っても良いかなと思います。数週間のマスタークラスは留学ではなく旅行という人もいますが、留学がいろいろな理由で難しい場合、それでもないよりは楽しい経験になると思います。できる範囲で外に出てみるのも悪くないと思います。