ピアノと電子ピアノ、どっちにします?

ピアノ塾

ウィーンのピアノ教師、佳奈です!

さて、「ピアノを習いたいのだけれど、どれを買ったら良いのかしら?アコースティック・ピアノ(本当ピアノ)は買わないといけないの?電子ピアノでもいいの?というご質問をよく頂くのでリライトしました。

子供がクラシックのピアノを始める場合

理想:古くないアップライトピアノを用意しましょう

以下、「クラシック・ピアノ」を習うことを前提としています。ポピュラーやジャズ、他の分野はキーボードでもなんの問題もありません。初めての楽器選びのコツを書いてみます。

うちのピアノ塾ではまずはじめにピアノをご自宅に用意してもらいます。ウィーンは日本よりアパートも広いし、健康的なアップライトピアノを安い料金でリースできます。その後購入する時にもリース代は差し引いてもらえるので、私の生徒さんは殆どはじめからピアノ(ヤマハのサイレント付き)をリース、その後購入しています。

「キーボード」は本物のピアノとは全く構造の違うものです。

本物のピアノは、その繊細な音色や音楽的表現を努力して積み上げたテクニックによって表現するのに欠かせない物です。これを伝えるために私達教師は幼い頃から毎日練習し、音楽大学で専門的に学び、生徒に伝え、お金を得ています。ピアノ以外のものでそれを習うという事は、私達に支払うお金を損をしている、と思ってもらうとわかりやすいかもしれません。

ピアノ、というものを全く知らない親御さんにとってはなんのことだか多分ちんぷんかんぷんだと思います。私がスキーをやらないので、スキー板のことを全く知らないのと同じだと思います。知らない事は自分で体験して、「おおおおー、こういうことかー!」と思わないとピンとこないですよね。

うちの生徒さんで親御さんがピアノに全く興味がなく、買ってもらえなかった生徒さんがいるのですが、その子があまりにもたくさん練習して曲が仕上がっていくので、「エリーゼの為に」を練習している時に根負けして購入した親御さんがいます。(注:かなりのお金持ちのおうち。ただ、ご両親にピアノに興味と知識がゼロ、さすがにエリーゼは聞いた事があるのでしょう。パパが感激して気持ちが変わったそうです)

アコースティックのピアノの利点

上にも述べましたが、以下、大事なポイントです。

お子さんが、もし音楽大学や付属の中高受験したいと言った時に困らない

初めから本物のピアノで習っていたら、万が一お子さんが音楽大学の付属や音大に行きたいと希望した時にきちんとしたテクニックがついているので困りません。(もちろんそうなるとグランドピアノが理想ですが、グランドピアノなしで音大に受かっている人はゴマンといます。)キーボードから音大系はかなり厳しいことになると思います。決心してからピアノを購入、テクニックのやり直し、はちょっと、かなり、きついです。

(音楽大学についてはこちら:日本の音楽大学の授業料)

例外:大人がピアノを始める場合 キーボードでもOK

クラシックを学ぶ場合

経済的余裕と場所的にOKであればもちろんアコースティックピアノが良いですが、多くの場合は難しいと思います。場所がなかったり、経済的に無理だったり、当たり前だと思います。この場合、何がなんでも本物のピアノ、とこだわるのはやめましょう。クラシック音楽と遭遇し、やりたいと思って始めるのですから、ピアノが買えない事を理由に諦めるのはもったえなさ過ぎます。

出来るだけ本物に近いタッチの、鍵盤が88鍵あって、姿勢良く弾けるものを選びます。

進歩して曲が進んでくると、電子ピアノで弾くのはきっと物足りなくなってくるでしょう。技術も限界がやってきます。進歩に応じて、これはホンモノのピアノが必要だ!と思った時点で考えれば良いと思います。練習室を借りる事も今は可能だと思います。

大人の趣味の場合はピアノを買う場合、サイレント付きがおすすめです。そして中古のピアノを購入したいと思う場合、調律師さんに相談する事は絶対にお勧めです。変な中古を購入してしまうと、その後売却できず、処分にお金がかかることになるので専門家のアドヴァイスは必須です。

クラシック以外を学びたい場合

この場合、本人のこだわりがない限りアコースティックピアノはまったく必要ないと思っています。それに本物のピアノを弾くより、電子ピアノの方がタッチが軽くて(安物は重くて逆効果だったりするけど)苦労せずに早いパッセージが弾けたりするからその方が楽しいです。

ピアノやヴァイオリンは残念ながら大人から初めてもクラシックのプロフェッショナルの粋までは絶対に到達しません。しかしクラシック以外の分野、ポピュラー、アレンジメントっぽいものなら努力次第で全然大丈夫です。いわゆるプロになれたりします。その為にアコースティックピアノは必要ありません。

そしてその分野で活躍しているピアニストさん達で、電子ピアノで演奏した方がずっと素敵な人もいます。私は『ござさん』というピアニストの大ファンなのですが、彼が自宅のキーボードで演奏しているYouTubeを聴くのが一番好きです。彼のアレンジメントのセンスは天才的です。(もちろんご努力もすごいと思いますが)