ピアノ・ヴァイオリン他、音楽留学をするの5つの利点とは?

クラスコンサート1 音楽留学のために

目次

*写真はウィーン国立音楽大学、1区のFestsaalにてクラスコンサートで演奏する娘、Lisa-Maria*

オーストリア音楽留学の5つの利点とは?

その1、オーストリアは日本の音楽大学に比べると学費が安い!

実際にどれくらい差があるでしょう。以下、いくつかの音楽大学の料金をチェックしてみました。

東京藝術大学

桐朋音楽大学

武蔵野音楽大学

東京音楽大学

自分で調べてびっくりしました。うちの母、よく出してくれたと思います。でも私の時代、留学はある特定の裕福な家庭のお子さん達がのもの、というイメージがありました。(行きたかったなあ。ソ連。)

さて、ウィーン国立音楽大学をはじめとするオーストリアの大学の学費は、というと、バチェラー(大学本科)1ゼメスタ(半年)日本人でも10万円かかりません。オーストリア国籍の人は半年約2千円ちょっとです。
15歳以下の音大付属の『才能クラス』16歳から19歳までの『予備科』の留学についてはこちら→子供留学

その2、オーストリアはコストをかけずに人前で演奏する機会が多い!

私が日本の音楽大学に在学していた時の学内試験の長さはたしかものの数分…(大昔ではありますが)
卒業試験も3曲くらい弾いておしまいでした。
門下の発表会には会場費、参加費、先生へのお礼(ヴァイオリンなどの場合伴奏者へのお礼+お足代)でお金がかかりました。そんなこんなで舞台の上で演奏する機会はあまりありませんでした。
国内コンクールで入賞している『活躍している』学生さんならそれなりにあるのでしょうが、一般音大生には夢のはなし。

一方、ウィーン国立音楽大学では教授にもよりますが、2ヶ月に1度は門下のクラスコンサートがあります。
オーストリアの音楽大学のクラスコンサートについてはこちらをご覧ください。
時間の制限もそんなになく、教授のOKが出ればコンチェルトやソナタを全楽章弾かせてもらえます。

コンクールをひかえた学生には第1次、第2次、ファイナルすべてを演奏させてくれる機会をもらえます。
昔、娘の演奏回数をチェックしたことがあるのですが、ほとんど毎週人前で弾いていた時期もありました。
コンサートで弾くという事は演奏家になるには絶対に必要なのです。もちろん演奏の為にお金なんて払いません。
運がよければギャラも出ます。人前で演奏するために、自分からお金を払うなんて、欧州の学生には想像のできない世界です。(コンクールの申込金、100ユーロくらいは普通ですが…)

その3、本場で学ぶということ

日本にも素晴らしい先生はいらっしゃいます。
しかしこちらでは多くの世界的巨匠と知り合う可能性があります。作曲家が生まれ育った環境で、その場でしか学べないこともあります(なんか、どっかの宣伝みたいになってきたですが…。)
その作曲家の話した言葉を話し、食べたものを食する。練習だけではゲットできない何かを掴むことが出来ます。もちろん雰囲気だけ味わってもダメで、適した教授の元で学び、練習しなければ絶対に上手くならないのですが、本人が努力すれば進歩は目に見えてきます。

その4、卒業後、ひょっとしたら欧州で仕事をゲットできるかも?

いい加減なことは書けないので嘘は言いませんが、オケのプローべシュピール(入団試験)などで、いきなり招待状が東洋人に来ることは残念ながらほぼありません。留学して努力をし、そのオーケストラと関係のある教授に師事したら招待状が来て、入団試験に受かるかもしれません。弦楽器や管楽器専攻の場合、ヨーロッパのオケにチャレンジする敷居が日本にいるよりも低くなります。
ピアノの場合、ドイツ語を頑張って「教育科」に入ればウィーンの街の音楽学校の先生にもなれます。
(空きがあればだけど)室内楽で活躍する人もいます。

その5、留学したというブランドがあると帰国した時にハクがつく。

こういう書き方をするとミーハーっぽくて申し訳ないのですが、悲しいかな、日本では通用します。
特に地方出身の方は留学して帰国するとかなり評判が良く、生徒さんも集まると聞きました。
こちらで学んだ事を後世に伝えて見栄えも良いなら言うことなしです。

さて、次回は留学を希望した時、まず、何から始めたら良いかをお話ししたいと思います。
まずは、あなたをクラスに受け入れてくれる教授を探しましょう。