この夏、生徒になってくださった大人の生徒さんが今週もいらっしゃいました。
遥か彼方、子供の頃にピアノを少し習った事があるそうですが、自然消滅、コロナ禍をきっかけにご主人がピアノをお誕生日にプレゼントしてくださって、ピアノのレッスン再開、という流れになったそうです。
読譜もできるし、手の形も悪くないし、しかも真面目。宿題をメキメキこなしているので、このぶんで行ったらかなりレパートリーが広がりそうで楽しみです。今はシューマンの子供のためのアルバムを弾いています。
レッスン中はマメにメモを取り、質問は的確になさって、その場ですぐに解決、練習法なども積極的に聞いてくれます。おうちではある程度部分練習をして、ちょっとまとまると、ご主人が夕食後に居間に座って観客になって聴いてくださるそうです。そして、「素敵だ〜」と絶賛してくれるそうでもう、お話を聞いていてとても温かい気持ちになります。ナイス、ご主人!です。
以前にも書いたように、ウィーンはいくら世界中に「音楽の都」だなんだともてはやされても、日本みたいに多くの子供達が当たり前のように、ピアノやヴァイオリンを習ったりしません。本当にクラシックが家庭に根付いていて、習わせてもらえる、と言う家庭はやっぱりちょっと、今で言う「文化意識、高い系」の家庭に限られます。この生徒さんも、幸いなことにそういうご家庭に育ったそうで、これはもう運、クラシック音楽に子供の頃から自然に触れることができて、感謝できる環境だったと言っていました。
彼女の目標は今の所クリスマスで、その時に学んだレパートリーを披露することだそうです。で、クリスマスの曲も何曲か始めたいそうですが、もうね、本当に計画的、しかも楽しんで勉強していらっしゃるので、素晴らしい年末になること間違えなしです。
「レッスンに来る事が楽しみでしょうがない」と言ってくださいますが、私も毎週のレッスンが本当に楽しみです。その素敵なご主人にもいつかお会いしてみたいです。