オーストリアでの2022年のマスタークラスのご紹介 モーツァルテウム・サマーアカデミー

音楽留学のために

インターナショナル・サマーアカデミー・モーツアルテウム 2022年

コロナ禍で2年行われていなかった、国際的に超有名なマスタークラスです。ウェブサイトはこちら。もちろん英語でも表記されています。うちも娘が11歳から毎夏通っていた、本当に第二の故郷のようなザルツブルクです。2021年は行われませんでした。

2022年のモーツァルテウム夏期講習のプログラムはこちらです。
相変わらず、コロナが収束していないので、完璧な形で行われるかどうかはまだ未定。申し込みは3月からとなっています。すべてオンラインで申し込みます。変更は常時行われるので、受講したい人はまめにチェックして、申し込みの後、不明な点があったら、各自、事務局にメールや電話で問い合わせをすることをおすすめします。

こちらでも書きましたが、留学を希望する場合にはまず、あなたを自分のクラスに取ってくれる教授を探さなければなりません。このようなマスタークラス(講習会)は複数の教授にめぐりあえる素晴らしいチャンスなので、ぜひ、利用してみてください。

このマスタークラスは夏の間、第3期に分けて行われます。
全部書くのは大変なので、ピアノ・ヴァイオリン・子供クラスのみ書きます。変更があることは毎回なので、絶対にご自分で調べてください。さすがに教授数がぐっと少ないです。悲しい〜。

第1期 7月11日(月)〜7月23日(土)
ピアノ教授
Yaara TAL & Andreas GROETHUYSEN
Herbert SCHUCH

ヴァイオリン教授
Latica HONDA-ROSENBERG
Alexander GILMAN

第2期 7月25日(月)〜8月6日(土)
ピアノ教授
Andrea BONATTA
Ya-Fei CHUANG
Christopher HINTERHUBER(ウィーン国立音楽大学教授)
Robert LEVIN
Dina YOFFE(いわずと知れたディーナ・ヨッフェ)

ヴァイオリン教授
Christian Altenburger(ウィーン国立音楽大学教授)
Kirill TROUSSOV
Michael VAIMAN(ヨッフェ氏のご主人)

第3期 8月8日(月)〜8月20日(土)
ピアノ教授
Peter LANG
Leonel MORALES
Claudius TANSKI
Arie VARDI | Markus SCHIRMER
Andreas WEBER

ヴァイオリン教授
Pierre AMOYAL
Zakhar BRON
Sergiu Schwartz

8月1日〜5日
子供クラス
ピアノ: Andreas Weber
ヴァイオリン: Paul Roczek
チェロ: 未定

申し込み方法
オンラインで登録して申し込みます。3月に開始。
以前は初日にオーディションが行われて、各教授がアクティヴ受講生(実際にレッスンが受けられる)と聴講生(みてるだけ)と分けていたのですが、今は時間節約のため、あらかじめYouTubeに自分の演奏をアップして、それを貼り付けると、受講か聴講かが審査されるようになっています。

不運にもアクティブ受講生に選ばれなかった場合、事務局が連絡をくれて、空きのある教授を教えてくれます。その際に再度先生を選ぶことができます。受講者ピークの時は、どこのクラスにも入れない人が出ましたが、コロナ禍の今、さすがにそれはなさそうな気がします。

ヨッフェ、ブロン教授などはは大人気なので、かなりの競争率。希望が叶わないことが多くありますが、前述のように他の教授に振り分けられるので参加できない、という事はないように事務局が頑張ります。

申し込み時に受講料全てをクレジットカードで支払うことになります。
これが終わると、寮やアパートの案内がきますので、希望のドミトリーを選ぶと良いと思います。寮の部屋での練習は基本NGです。AirBmbだと練習のできるところを探すことができるので、それも良いかもしれません。

受講回数は教授により異なりますが、2週間で最低でも4回はあったと思います。最終日には、通常であれば終了クラスコンサートがあって、学生達が演奏を披露します。

サマーアカデミーの料金について
詳細、は登録が始まってから出ることになると思います。うちの場合、2週間でかかる費用は、ざっくりと数えてみると。。。
娘に私が同行した場合、受講料・寮費・練習室代・食費・ウィーンからの汽車代、すべてを全部まとめてみると、本当にざっくりですが、約2000ユーロでした。日本円にすると約25万円ですね。こちらの学生さんたちはもっと節約していると思います。日本からエージェントを通して申し込んだ人はもっとかかりますが、それはいろんなサービスが込みなので、当然かも知れません。

これは2人分なので、学生さん一人だったらこの半額とちょっと、になるでしょう。ランチは学校に食堂があって千円以内で食べることができますし、寮やAirbmbなら自炊もできるので節約をすることができます。毎回外食となると、これより出費は嵩みます。レストランはあまり安くないですね。人によって変わってくると思います。

通訳について
留学エージェントを通してマスタークラスを申し込んだ場合は、そのエージェントが現地通訳を調達してくれることがあるようです。
エージェントによって違うと思いますが、ザルツブルクは現地で現金で支払っているのを見かけました。通訳料金は時間にもよりますが最低でもワンレッスン(45分)だいたい30ユーロからのようです。

以前も書きましたが、通訳を見つけるときの注意点です。
語学に長けた音楽留学生や、音楽を専門にした通訳者なら心配ありませんが、時にはトラブルも見かけます。音楽に全く関係のないところから、例えば現地に住んでいるだけ、のような人をネットなどを低価格だと思い依頼してしまうと、ちょっと困ったことになるケースがあります。

音楽のレッスン通訳とは、それを専門にしていない人にとってはそんなに簡単なものではありません。たとえドイツ語が上級レベルくらいできたとしても、楽器をやったことがない、ソルフェージュも楽典もわからない人にはかなり難しいものとなります。昔ちょっとピアノを習った、のレベルでは実際きついです。実際にとんでもない通訳を見て卒倒したことがあります。本人は間違えたことを話していることにさえ気づいていないようでした。気の毒なのは生徒です。

せっかく高い受講料と飛行機代、ホテル代等を払い、時間を使って日本からわざわざ来たのに、通訳のせいで全て台無し、ということもあるので納得のいくように下調べをしてから依頼することをお勧めします。理想は下手でも自分の言葉で話すことが理想です。通訳は保険のようなスタンスで依頼するようが良いです。

最後に付け加えると、このアカデミーの最も多い受験者は、通常、日本からの学生たちです。2番目が韓国人。夏にこのマスタークラスに参加するためにザルツブルクに行くと、まるで日本に留学しているような気持ちになります。ちょっと刺激がないように感じるかもしれませんが、反面、ひとりで渡航する場合はちょっと安心、という長所もあります。優秀な日本人の学生さんと知り合う機会もできて楽しいかもしれません。しかし、ほとんどのお客さんが日本・韓国人なので、、コロナの影響で開催されない、ということが危惧されます。しかしながら、留学を希望しているのであれば、マスタークラスは良いきっかけになります。人生が変わるかも知れませんよ。