ピアノやヴァイオリン 伸びる子の親御さんたちはどんな人達?(5)

ピアノとヴァイオリン

以前に書いた記事で、いちばん大切な親のお仕事とは、「きちんと指導できる指導者を見つけること」と書きましたが、今日はちょっとそれについて書いてみたいと思います。

趣味であれば、子供が喜んでレッスンに通うような、性格もお子さんに合った人を選んであげれば良いと思います。毎回楽しくレッスンに行ければ本当に理想的です。なにも大教授先生である必要もないと思います。

さて、問題は「子供をガチにプロにさせようと思っている親御さん」です。
この場合、子供の気持ちや子供の希望、子供の意見や夢、はちょっとハジに置いておきます。これはまた別のテーマです。

切実に、声を大にして言いたいことはただ一つです。「目的に合った教師のもとで学ばなければ、どんなに努力しても、それは全て無駄になる」という現実です。そしてその費やした時間、傷ついた心、それを無理やり納得するために「この子は一生懸命に頑張ったのよ、それだけで満足なの」「おかげさまで忍耐力がつきました」なんて親が言ったって、子供にしてみれば、「冗談じゃないよ」です。

東大入試に合格するのにはテクニックが必要なように、楽器の世界もある程度同じです。

「きちんとした実績のある指導者」に習っていれば、そんなに才能がなかったとしても(すみません)ある程度のレベルまでは、行けます。もちろん子供にやる気があって、親もサポートすることが大前提ですが。

そのレベルに到達した後に、音楽性だ、運だ、コネだ、なんだがついてきて道が広がっていくのです。そのスタートラインに着くための、最低限のレベルは、指導者と本人の努力があれば、誰でも到達できる、と私は思っています。そしてそういう人は本当に、ゴマンといます。お分かりの通り、そこから成功できる人はほんの一握りですが。

子供は毎日真面目に数時間練習している、高い授業料も払っている。だけど、公平に行われている様な子供のコンクールで(これを見極めるのも大切)結果が出ない、いつもレッスンで先生に努力が足らないと(または才能があまりないなど)言われ凹む、コンクールを受けると落ちる、もしくは結果が出ない、発表会ではいっつもつっかえる、等々。。。

変だと思ったら、勇気を持って現実を見つめ、セカンドオピニオンを求め、指導者を変えることも考えるべきだと思います。めんどくさい、と思って現実から目をそらすと、あまりよくないことになります。多くの親は「めんどうくさい」と思うのですが、ここでどの様な行動に出るかで、子供の将来が変わる可能性があります。

ここに詳しく書きましたが、うちも娘のはじめての先生選びで失敗し、数ヶ月の時間とお金をドブに捨てました。その時の私や娘の努力なんて、全くその後の役に立っていません。習わなかった方が良かったです。
日々の親子バトルは当たり前の世界ですが、そのバトルに指導者が助けにならない場合も要注意です。

何度も書きますが、子供時代の指導者は多分、音楽家人生でいちばん大切な存在だと思います。はじめの一歩がなければ、次がないですから。