不親切な街ウィーンで旅行する際のポイントとは?

ウィーン生活

世界でいちばん(外国人に対して)不親切な都市のひとつにウィーンが選ばれたことは以前にもお話ししました。そして同時に、世界で最も住みやすい都市のひとつにも選ばれています。

35年以上ここ、ウィーンに住んでいる私には「(外国人に対して)とても不親切な都市」というのはよくわかる気がします。

よく耳にするのは「ウィーンではみんな朝からくらい顔をしている」
日本人観光客から最も多く聞くのは「カフェのウェイターの態度が横柄であり得ない」です。

日本はサービス大国なので、ちょっとやそっとのサービスは当たり前、とどの日本人も思っているのですが、その人達にこちらの伝統的なカフェのウェイターに給仕させたら、やっぱりまずいかも。

注文したくても、支払いしたくても、全然テーブルに来てくれない。「外人だから無視されてるのかしら?」と思いたくもなります。

ここ10年は爆変わりしましたが、以前は観光客の多い通りのブティックなども、とても不親切でした。ヴィトンなんて日本人が入って来ると、「ほらよ!」みたいな感じでカタログを投げられる、なんて都市伝説をよく聞いたものです。今はどこへ行っても超丁寧です。だって、お金を落としてくれたら、その係員のポイントになるんだもの。ウィーンもそれでも少しずつですが、学んでいるのです。

音楽関係では観光客に優しく接してもらえます。
少年合唱団、その他の団体、日本人は(最近は韓国も)素晴らしいお客様なので、失礼な態度は取られません。だから心配なし。

でも、不親切な態度を取られたらせっかくの楽しい旅も台無しになります。どうしたら、このウィーンで嫌な思いをせずに過ごせるでしょうか?

私の提案は「ウィーンはこういうものなんだ」と思って自分の中の「ウィーンのサービス」基準を下げておく事です。
間違っても日本のサービスを期待してはいけません。声を大にして言いたい。あそこはもう「天国」です。
たまに帰国して、そのサービスに感激の涙を流さないではいられない外国在住の日本人は山ほどいます。

だから、イケメンのウェイターが親切だったら「超ラッキー!」くらいに思った方が良いと思います。

さて、以上は「旅行」の場合ですが、留学などで数年ここにいる場合はどうしたら良いのでしょう?

第一のアドヴァイスはやはり「日本と外国は違う」という事をきちんと頭で理解しておくことと、語学力でしょう。反論したい時に「発言できない」悔しさはかなり後を引きます。

そして友人作りは自分から積極的に声をかけることです。
オーストリア人は、よっぽどアニメオタク等で特別に「日本」に興味があるか、相手があり得ないレベルのイケメンや美女でない限り、自分の方から声はかけません。

どんどん外に出て、いろんなサークルに顔を出し、自分をアピールすれば向こうも安心して心を開いてくれる時もやってくるものです。

たかがウィーン、されどウィーン。
ゆっくりの街ですが、それなりに進化して改善されてきています。コロナも終わったことですし(オーストリアはそういうことになっています)これから多くの人にウィーンを楽しんでいただきたいと思います。