海外留学で教授とあわない 自分の思いをハッキリと、しかし穏やかに伝えるコミュ力の大切さについて

音楽留学のために

もう数年前の話です。
とても真面目な留学生が、オーストリアの某音楽大学の担当教授との関係で悩んでいました。日本の音大での話ではありません。

その担当教授は、良かれと思って色々アドヴァイスをしてくれるのですが、それが彼女には「死ぬほど苦痛」でした。

例えば、クラスコンサートに弾く曲を選ぶ時、彼女は「今まで弾いたこの曲をもっと確実にしたい!」、と決めていたのに「勇気を持って新しい曲に挑戦するべきだよ!」、と言われてしまう。それに対して何も言えない彼女。。。

テクニックにしても教授のいうことは意味がわからず、「こんな変なやり方、ぜんぜんうまく聞こえないし、イヤだ!」と全く納得がいきません

悲しくて、毎日泣いてばかりでした。

私に言わせれば、「きちんと自分の意見を言えばいいじゃない!」と簡単なことなのですが、出身国のお国柄と彼女の性格で、それはかなりハードルが高いようでした。

本人曰く、語学が不得意だから言いたいことが言えない。それに加えて、あの教授に何かを言い返すなんて、絶対できない、と言います。

結局半ノイローゼになってクラス替えをし、全ては丸く収まったので、学生課にクラス替申請をしただけでも、彼女に取ってはすごい行動力だと思いました。

しかし、なんの説明もなくやめたので、教授からしてみれば、わだかまりが残りまくりで嫌な気持ちでしょう。実際、セクハラをされたわけでも、パワハラをされたわけでもないのですから。教授の人柄が多少、威圧的だったのかもしれませんが、たとえ下手な外国語であっても学生側が自分の意見を冷静に、きちんと普通に話していたら、それこそ普通に乗り越えられていた気がします。

ものには言い方というものがあって、教授を怒り狂わすような乱暴の物言いは絶対にダメです。これは相手が教授でなくても普通の人間関係でもそうですよね。

きちんと自分の意見を述べて(語学が苦手なら、紙に書いて、練習すればいいだけの話)それでも通じない相手ならば、離れれば良いのです。

すごく単純で当たり前のことですが、これができていない事がわだかまりの原因の第一位です。コミュニケーション能力、と今では言うのでしょうか?楽器を専門に学ぶという事は、ソリストやオケのメンバー、もしくは教師などになるわけで、どれもコミュニケーションが必要になります。

悩んだら、まずは勇気を持って自分の意見を冷静に、丁寧に、説明することは、本当に大切だと思います。勇気を出してやってみる方が、やらないよりもずっと良いのにな、と思った話でした。