Twitterでも愚痴りましたが、「あー、もうやりたくない!全然進まない、本当に嫌、やめたい、楽譜捨てたいヨ〜!」と密かに絶叫中の私でした。お分かりの方も多いと思いますが、ロマン派でも古典でもない分野の作品です。と言っても超現代曲というわけでもないのですが、私にはめんどくさい部類のものです。譜読みができた時はもう、暗譜出来ちゃったよ、の分野のものです。
さて、普通の曲(モーツァルトだとかそういうのね)の譜読みの場合は、比べてみると簡単です。
ざっと眺めて分類し、左右別々にさらったり、亀のテンポで、しかし、手の移動は速く、なんてやってると、あっという間に弾けるようになるものです。難しそうな箇所はまず初めに手をつけます。なぜなら、人間誰しも、長く弾いた曲ほど上手に弾けるという法則があるからです。
もう、やりたくもない様な変な曲の場合、諦めて、とにかく耳から入れます。どっかから音源を見つけて、とにかく、聴く、聴く、聴く。
そうすると、変な構成の中からも、法則らしきものがあることが見えてきます。そうしたらこっちのもの。大まかに長め、大きな流れを掴みます。こういう時に、はじからはじまで、小さい部分まで全て正確に読み取ろうとしたら、時間ばっかりかかって頭がおかしくなります。まずは地図の全体をつかむところから始めます。
昔、レヴィン教授がウィーン国立音楽大学の講習会で「練習を中断し、また練習に戻った時、数時間前に譜読みしたところをすっかり忘れている、そんなことにならないように、ひとつのコツがあります!」とおっしゃった時、みんな食い入って彼を見つめたものです。
「譜読みの段階で、練習を中断してまた練習に戻る時、その時はちょうど練習をやめたその箇所からまた練習を始めるのです。アホみたいに、その曲のはじめっからまた弾こうなんて思ってはいけません。練習をやめた、ちょうどその箇所から、また練習を始めなさい。そうすると記憶は蘇るのです〜〜〜〜〜!!!」
学生全員、「ほおおおおおお〜〜〜〜」と感心したものです。
まあ、すっごく効果があるわけではないのですが(すみません)私は教授のおっしゃる通りにやっています。
それでもタラタラ練習して、なんとかできたかいな、と思った時に娘から電話で、
「悪い〜やっぱり金曜日、他の曲弾くよ〜」
とあっさり言われた時は、「○す!」、と思ったものです。ちゃんちゃん。