みなさんは、初めての曲に取り掛かる時、どうやってやりますか?
いわゆる、譜読み、です。音大を出て、何十年も専門にピアノ、というものをやっている人達のやりかたは、大抵同じだと思いますが、私の譜読みのやりかたを、ちょっと書いてみます。
まずは調性、リズムを確認して弾き始めるのですが、簡単そうなところは、もうはじめから両手で始めます。
まずは弾きながら指番号をがーっと書き込みます。頭の良い人は覚えられるのかもしれませんが、私の場合は長い曲だと、わすれちゃったりするし、書くことにしています。何度も試してみて、もっと良い指使いがあったら変えるのですが、まずは書き込む。弾く、書き込む、を繰り返します。そして簡単なところと、練習しなきゃダメなところを、ざっと見分けて、つぎは丁寧に練習していくわけです。
新しく生徒になった大人のアマチュアの人に「どうやって譜読みをしていますか?」といって、その場でやらせてみると、大抵みんな同じことをします。いきなり両手ではじめて、そして楽譜にGisとかAとか音名を書き込む。指使いはいきあたりばったり、その場である指を使います。
これはもう、3小節の譜読みだけで、膨大な時間がかかります。
私達、音楽大学のピアノ科で専門に学んだ人間と、私の生徒さんの違いはなんでしょう?
答えは簡単で、人生の中でピアノを弾いてきた時間が圧倒的に違うのです。これは大きいです。
ピアノを弾いてきた時間の少ない人たちは、楽譜に書かれている音と、ピアノの鍵盤の位置が頭の中で一致していないのです。
これが一致するくらいになる為には、練習量が必要になってきます。このギャップを埋める為に、できることはなんでしょうか?
指使い、フィンガリングです。
日頃、いろんな調のスケールを弾く習慣をつけることは、譜読みにも助けになると、以前にも書きましたが、やっぱり左右別々に手を付ける、ということと、指番号をはじめに決めて書く、ということが重要になってきます。指使い、フィンガリングに関して、自分でできなければ、新しい曲をもらった時に先生に見てもらいましょう。かなりの助けになると思います。
身体や手の大きい外人を教えていると「極力4と5の指を使わない」というとんでもない場面に出会うのですが(日本人は手が小さいので限度あり)あくまで、自然な流れを重視するべきです。しかし、経験の浅い人は自分でフィンガリングを考え出すのは難しいかもしれませんから、先生に聞いてみてください。
たかが指使い、されど指使い、これをきちんとしたら譜読みは早くなるはずです。
いきあたりばったりで弾いていると、1年弾いても譜読みは終わりません。試してみてください。