アジアやアメリカの一部では、「まだこれ、赤ちゃんでしょう〜?」という年齢からヴァイオリンやピアノを習わせることが、めずらしくありません。
実際にそれでプロになっている人もいるし、その子に合った年齢や環境、というものがあるので、一概にはいえないと思うのですが、いろんな人をみたり、教えたりして、わたしの理想と思える年齢は、頭の良い、身体の発達した子であれば4歳、理想は5歳、と思っています。
ピアノの場合、3歳以下の子供は、指がぐにゃぐにゃだし、リトミックやリズムうちから、という方法もありますが、個人的には7歳から始めてもなれる人は世界的なソリストになったりしているので、あまり必要ないという考えです。
そんなの絶対に遅い!というひともいるかもしれませんが、そういう人は早くやらせれば良いのです。1歳でも2歳でも、あくまでも個人の自由です。全く否定はしません。
ヴァイオリンは違います。
恐ろしく小さな「分数ヴァイオリン」というものが存在するので、親御さんがきちんと音楽大学を卒業し、正しく指導できる能力のある人であれば、どうぞ、2歳でもなんでも始めてください。7歳でメンコンが全楽章、オケをバックに弾けるようになるでしょう。(保証しません)
話をピアノに戻します。
では、学校の始まる6歳、というのはどうでしょう?
オーストリアの学校は9月にはじまります。日本は4月、桜の季節に新しい学期がはじまりますが、欧州は9月です。多くの親御さんは9月に学校が始まると、始業と同時に「何かお稽古事をやらせないと!」と思いつくようで、私のところにも生徒さんの紹介で〜、といって体験レッスンに来ます。
これが私にはちょっと謎です。
なぜかというと、新学期といえば、子供達は学校の授業と新しいクラスメート、新しい担任の先生とストレスがかなりあると思います。それに加え、新しい習い事を始めるって、キツくないのかしらと思います。
日本の子供達ならば、山ほどのお稽古事や塾通いが普通なのでさほど驚くことでもないと思いますが(それはそれで問題かもしれないけれど)オーストリアの子供達は結構のんびりと育てられているので、大変だなあと思います。
私の13歳の生徒くんの日常は、かなりハードです。今はさすがにコロナのせいで半分は行われていないようですが、学校の帰りに毎日なんらかのアクティヴィティがありました。
月曜日はポロ、火曜日はピアノ、水曜日はカラテ、木曜日は合唱、週末はテニス、という風にまあ忙しい、忙しい。毎日ベビーシッターの人が連れて行くのですが、本人は結構慣れていて楽しんでいるようでした。(しかし書いていて気がついたけれど、お勉強関係がゼロってのが良いですね)
このスケジュールを見ると「ピアノはいつ練習するの?」と思うのですが、まあそれはよいとして。。。
前置きが長くなったのですが、趣味でやる場合(別にプロにもなれるけど)私の経験からいうと、5歳がいいなあ、と思うのです。
5歳だったらまだ幼稚園の年長さんで、沢山の宿題やお勉強はないし、時間もたっぷりある。だから週に2回以上のレッスンに通うことも可能です。5歳にピアノやヴァイオリンを初めて、週2回、っていうのがかなり効率出来な気がします。成長の早い子はかなり伸びます。
あと、去年感じたのですが、夏休みに始めるというのも親御さんも頭がいいなと思いました。どうせコロナで大きなバカンスもできないし、それこそ週に2回以上通えるし、落ち着いてピアノを楽しむ事ができます。
学校の始まる9月は、親御さんがいっせいに「うちの子も!」と焦って同じ事を始めるので、自分も!と思わずに、他の人とちょっと違う時期にスタートを切る、というのもなかなか良いものだと思います。