趣味で楽しくピアノを習っていて、先生との相性も良い、その場合は本当に半生習い続けるという例は珍しくありません。これは双方にとって本当に幸せなことかも、と思います。
一方、趣味でも専門でも「あわないな」と思ったら勇気を出して止める事はとても大切です。どんなに良い先生でも、どんなにきちんとした生徒さんでも『相性』というものは存在します。難儀であっても、勇気を出して、「問題が起きる前」に関係を解消することはとても大切な事です。
さて、それでは専門の場合はどんな感じでしょう?
例えば、音楽大学を目指すので、今習っている先生に、その大学で教えている『教授先生』に師事するのは普通の流れです。
子供の頃から、音大教授に師事していて、有無を言わさずその音大に突入、なんて事はあるあるで、私もそのパターンでした。
海外ではどうでしょう?
同じようなもので、本当に入りたいと願う人は、めざす音大で教えていらっしゃる方に師事します。以前にも書きましたが、今はコロナ禍だったのでどうだか知りませんが、内部の教授に師事していないと『演奏科』の場合は厳しいので、それは書き加えておきます。
以前、ムスメが12歳くらいの時に教えていただいていた、モーツァルテウムのヴァイオリンのオジム教授は、クラスの学生に良く言っていました。
「6年習ったら通常は充分。かなりのことを吸収しているはずだから、自分で他の教授を探してごらんなさい」と。
当時の私は「教授というものは学生を手放さないものだ」という思い込みがあったので(実際この方が多い)かなり驚きましたが、色々見てきて、正論だと思っています。よほどのカリスマ巨匠で、もう絶対的に離れたくない!という例もありますが、稀でしょう。
6年も習えば、「ああ、教授だったらここはこう言うな」というのが絶対にわかりますし、わからなければ困ります。そうなると、学生も成長が止まる可能性がでてきます。
「この教授は○○コンクールのジュリーだかがら、離れるのが惜しい」とか「いいパイプを持っているので繋げておこう」と思う気持ちも自然ですが、これも限度問題かもしれません。うまくいく例も確かにありますが、合わない思いを抱えながらしがみつくのも不健康です。これはもう、個々が決めればいい問題でしょう。
その他、オケに入団することが当面の最終目的であるのならば、オケのコンマスや内部の人に習うのも良い選択だとおもいます。
いずれにせよ、専門の人たちは、自分の将来図に応じて、師事する人を決めると良いと思います。