引き続きアカデミーの話題です。
以前にも数回書いていますが、留学を希望するのであれば、このような大きなマスタークラスに参加して教授と知り合い、そして繋げていくことがとても有効となります。
以下、普通の参加ではなく、留学したいと希望する人へ向かって書きますので、普通に参加したい学生さんなどにはあまり関係ない話となります。ただ、留学を希望しなくても、海外のマスタークラスに参加することは、音楽の世界観が広がるチャンスなので、とてもお勧めします。クラシック音楽を真剣に学ぶ場合はは『現地で触れる』ということが大切だ、と常々思っています。
さて、本題。
私が今、ムスメと滞在しているザルツブルクのインターナショナル・サマーアカデミーは4期にわたって行われ、ピアノやヴァイオリン、チェロ、声楽など複数の教授がレッスンを行います。
ピアノとヴァイオリンには優秀なキッズ用のコースもありますので、子供留学の場合はそちらを覗くのも良いと思います。
複数期に滞在し、数人の教授に習う、という学生も数人見かけます。
目的は、ただ単に多くの教授の意見を聞きたい、など色々ありますが、自分に合った教授を探している人も少なくはありません。留学、または次のステップの教授を探す、などです。
ただ、複数の教授のコースを選ぶ場合は、以下の注意点があるので気をつけてください。
同じ期で複数の教授のコースに参加する場合、同じ曲を持っていくと混乱します。教授によっては指使いから解釈、全く逆だったりするので、できれば教授によって違う曲をもっていく方が良いでしょう。期をまたぐ場合は、同じ曲でも問題ないと思いますが、選曲はよく考えて準備しましょう。
当たり前ですが、留学先の教授を探す場合、その教授が「音大」で教えていることが必須になります。ただ単にプライベートの先生を探す場合はどうでも良いのですが「留学」とは通常、現地の音楽大学に在籍して滞在許可を取得し、学位を取る(人によるけど)事です。
さて、話はそれましたが、マスターコースを選ぶ際の注意点をもうひとつ書いておきます。
そのマスタークラスで教える教授の名前がわかったら、履歴等をきっちりとネットなどで前もって調べることです。どの国の出身か、どんな教授に師事してきた人か、どの音大で教えているか、メソッドはどの方向か、などです。
ひとつでも「良い出会い」を感じたら、もしその出会いに縁があったら、最終的には点と点がつながって、将来につながっていきます。
まずはこのように行動を起こすことが大切です。
何もしなかったら、教授は天から降ってこないし、誰も「はい、どうぞ」とプレゼントしてくれないからです。
留学するのは、かなりめんどくさい作業ですが、それを楽しんでできるような状態であれば、留学する価値はあると思います。新たな音楽人生の階段を登るために、良いきっかけとなるでしょう。