これは趣味の人対象へのアドヴァイスです。クラシックのプロ志向で独学の人はいませんから。
当たり前すぎて「なーんだ」と思われるかもしれませんが、未知の物を習うということは結構ハードルが高い物です。
例えば私が「テニスがやりたいなあ」と思っても、時間をかけてどこかに通う、お金も払ってプライベートのレッスンを受ける、なんてところまでは到底重い腰が上がりません。だからやらない。
それでひとりでぽつねんと壁打ちしてたって、そんなに上手くならないと思うのです。
それをつくづく感じたのは、最近知り合った青年の様子を見たからです。
彼は職業柄とても手先が器用です。
PCのキーボードもガンガン打てるし、細かい手作業がとても得意。子供の頃からピアノに興味があって、アプリで独学で勉強し、今回縁があって私のところに辿り着きました。
好きな曲を、かなり一生懸命に練習したのでしょう。だからなんとなくある程度指は回って弾けてはいるのですが、基本になる指使いが自己流だったりするので、とにかく全てが遠回りです。
まずはスケールとアルペジオの正しい指使いを教えて、曲も、「ここはこう」と教えると、まあ、すぐにできるようになる。楽譜の読み方、仕組みなんて、やる気のある大人であれば、あっという間に理解して覚えてしまいます。そんなに難しいものではありません。本人曰く「数年間のこの、無駄な努力と回り道はなんだったんだろう」です。
叩いたら音が出るキーボードであっても、独学はかなり遠回りです。
ポピュラーだと、コードなんかを器用に覚えてぺろぺろっと弾けるようになるような才能のある人も結構いますが、それでも習った方が断然進歩が早いです。ゼロの状態から1に行くまでは、まずは指導者に習った方が無駄がないので、やりたいなと思ったら勇気を出して習いに行くことをお勧めします。