目次
今日の写真は美術史美術館のカフェです。とっても綺麗。今はレンブラントの展示もしているので、是非訪れてみてください。
留学生にとってウィーンでトラブルのない、嫌な思いをしない快適なアパート選びについて
以下に挙げる「個人のオーナーから賃貸するケース」は短期の旅行者や、留学以外の目的でこちらにいらっしゃる方には当てはまらないと思います。私のフォーカスしているのはあくまで「留学生」です。
前にもウィーンでの住居選びについて書きましたが、留学生が「個人」でアパートや部屋を借りる場合はいくつかの注意点があります。特に企業や管理会社からの賃貸ではなく、個人から借りる場合、慎重な判断が必要です。オーナーと借り手の価値観が大きく異なる場合、思わぬトラブルに巻き込まれることがあるからです。今回は、ウィーンで安全で快適なアパートを選ぶためのポイントをお伝えします。
「個人」から部屋を借りる際に気をつける点
特に気をつける点、それはオーナーと借り手の価値観があまりにも違う場合です。そうすると日常生活が辛いものになる可能性があります。
例えば、プライバシーを重視する借り手に対し、オーナーが過度に干渉的である場合、問題が起こりやすいです。毎日のようにオーナーがアパートを訪れたり、借り手の生活に口を出すようなことは、思わぬストレスとなります。もしお互いが以前から知っている間柄であれば、それが当たり前のことかもしれませんが、初対面で全く知らない者同士の場合、事前にこうした点を確認することが非常に大切です。オーナーは良かれと思ってやることでも、借り手にとってはストレスになる事はよく耳にすることのひとつです。
また、オーナーの生活スタイルやルールが、自分の価値観と大きく違う場合、契約後に困難が生じることがあります。例えば、夜間に音を出してはいけないという厳しいルールや、共用スペースでの細かいルールが設けられている場合など、契約前にこれらをよく確認しておく必要があります。
オーナーが日本人でない場合、そして日本人であってもこちらの習慣がどっぷり身についている場合、お互いにとって「当たり前だ」と思っていることが相手にとっては「全く当たり前ではない」というすれ違いは普通に起きる可能性があります。
インターネットなどで知り合った場合、お互いにどのような人なのか、事前にメールなどでコミュニケーションととって、不明な点は渡航前に確認し、お互いに納得した上で契約を結ぶことを強くお勧めします。
「契約書」が存在すること、そしてその内容をしっかり確認すること
先にも述べましたが、数日、数週間の賃貸であれば口約束でも良いかもしれません。オーナーも借りる方もリーズナブルにすることができます。
しかし、留学生や1年を超えるような長期滞在の場合には、契約内容が非常に大切になってきます。
最悪、契約書がない場合もあるかもしれません。家賃に何が含まれているか、追加費用が発生するかどうか、退去時の条件など、細かい部分まで契約書に明記されているか確認しましょう。お友達同士、もしくは知り合い間でのトラブルはこの「口約束の曖昧さ」から生じます。
オーナーが契約書を出したくない場合は、事前に不明瞭な点を質問し、書面に残してもらう努力をするか、それがない場合はやめるなどの決断が必要です。不明点ははじめに解決することがトラブルを未然に防ぐ鍵です。短期の旅行者であれば契約書がなくても別にOKでしょう。
アウトなのはオーナーが「住民届」をその住所で出すことを拒否する場合です。
学生としてきちんとした形でウィーンに留学を希望するのなら、残念ながらそこに住むのは不可能です。なぜなら住民票(Meldezettel)なしでは、滞在許可証の申請も、何もできないからです。その場合はやはり、寮などに入居することをお勧めします。
「写真を撮る」
ウィーンで新居に入った場合、オーナー立ち会いの元、写真を撮って証拠を残すのは普通のことです。
写真を撮り、お互いに確認して簡単なプロトコールを作る、ということは私もやりました。
そこまで大袈裟でなくとも、例えばシンクにヒビが入っていたら写真を撮り、「これは私が入居した時点で破損していました」という証拠になります。気になる箇所があればお互いのために証拠を残すのはお勧めです。
オーナーとのコミュニケーションを大切にする 相手の立場に立ってみる
個人からの賃貸は、オーナーとの信頼関係が重要です。お互いにスムーズなコミュニケーションを取れるかどうかも、快適な生活を送るための重要なポイントです。トラブルが発生したときに迅速に対応してくれるか、あるいは問題解決のために協力的かどうかを見極めるために、契約前に十分なコミュニケーションを取ることが重要です。
すべての問題は、人間関係から起きます。
常に相手の立場に立ち、表現や言い方、もしくはメールの書き方に配慮が欲しいものです。
自分の主張ばかり述べていたら角が立ちます。相手があまりにも暴力的な物言いや考え方の場合、契約をしないのが一番ですが、お互いに納得して賃貸契約を決めたなら、円滑に、法に則って普通に連絡を取り、家賃を払い、住めば良いのです。
まとめると、特に個人のオーナーから部屋を借りる場合、価値観の違いやコミュニケーションの取り方が、快適な生活を左右する大きな要素です。安心して住める環境を整えるために、慎重に選び、しっかりと確認を行うことが何よりも大切です。
最後に私の場合
ムスメがスイスやスペインにいる間、部屋を間借りしたいというリクエストがいくつかあったのですが、お断りしました。なぜなら、私が人と一緒に住めない人間だからです。
ムスメがウィーンにいる間だって、シャワーの時間が長いとか、ちゃんと掃除してない、とか電気がつけっぱなし!なんて愚痴が出るのに、他人様からお金なんかもらっていたら、何も言えなくてストレス爆発です。例え1000ユーロ現金をもらえたとしても、これは私だけでなく、ここに住むであろう可哀想な学生さんのためにはよく無いことです。なので、絶対に無理、という結論です。お金なんか1ユーロもいらないので、ひとりでのんびり過ごしたい。お金の為に貸す、なんて絶対に無理なお話、私の場合です。
一方、私のオーナーさんは個人です。
私は半分商用(ピアノ・ヴァイオリン業)で借りているのですが、オーナーさんも芸術家で音楽家の生活も理解してくださっていて、とても良いコミュニケーションが取れています。
お互いに尊重しあい、時には助け合って、きちんとなんでも書面に残してビジネスライクに行っているからだと思います。ちょっとしたコミュニケーション努力は円満な賃貸生活のヒントです。