ピアノやヴァイオリンのレッスン 生徒さん、もしくは親御さんとの距離問題について

ピアノとヴァイオリン

私はこれについて深く考えたこともなかったし、自然と出来ていたのかな、とも思うのですが、今日のお題は「教師として、ピアノやヴァイオリンの生徒、またその親御さんとの距離問題について」です。

具体的には「フレンドリーには接したいけれど、お友達のようになるのは避けたい。でもエラソーに見えるのも嫌」、で、これは最近ある若い先生から受けたご相談です。

「生徒や親との距離の取り方がわからない」

私は昔からごく普通に一定の距離を置いて接してきました。意識したこともなかったです。
だって、その方が断然楽なのです。特にお互いに趣味が合ったり、考えがもう、あり得ないぐらい一致して、もう、ソウルメイト?なんて思えるような感じだったら別でしょうが、そんなの普通、ないです。ありません。だいたい師弟関係は「おともだち」ではありません。

私が意識的にするのは、親御さんには英語だろうがドイツ語だろうが、「丁寧に接する」ことです。
例えば、ドイツ語ならば「あなた」を表す単語に、丁寧な「Sie」と友人同士が使う「Du」があるのですが、よほどあちらがそういうタイプでない限り、私は自分から「Du」ではなし会いましょうね、という提案はしません。

しかしこの世の中、誰にでもオープンな人がいて、そういう人にオファーされたら角も立つので受けるけれど、言葉の上だけでの問題です。フランス語でも同じ。でもフランス語はちょっと面白くて、丁寧な「Vous」で話し合う間でも、下の名前で呼び合ったり、挨拶にチュウをしたりするのですが、それでも会話はあくまでもフォーマルな感じで、距離を置きたい私には合っています。

でもこればっかりは経験なのかもしれません。
いちいち相手の言葉に大きく反応せず、自分を保って、丁寧に接する。そうすれば関係がいきなり「お友達」っぽくなって、いつのまにかリスペクトが失われたり等、そういうことは無くなると思います。

よく学生が
「あの若い先生、本当に謎。あるときはお友達のように親切で、あるときはなんか威張ってる感じ。やりにくいわ」
というのを聞くことがあるのですが、その度、「ああ、あの若い講師、学生との距離の取り方が全く掴めてないんだろうなあ、学生が気の毒」と思います。

あくまでも丁寧語(日本語でいえば、『タメ語』じゃないヤツ)でフレンドリーに、それを徹底すればかなり簡単な話です。