留学生活と人間関係、心地よい毎日の生活のためには?遊ぶ気がないのならはっきりと断わって問題ないという話

音楽留学のために

音楽留学であれ、普通の留学であれ、何のためにその大学に来ているのか?目的は人それぞれです。それでも人間関係を円滑に心良いものにして生活できれば、それに越したことはありません。それには少し気まずいと思っても、自分の意志はきちんと通すことが大切だという一例です。

さて、ある留学生のお話。
その女子は自分のピアノの技術を上げるべく、真剣な気持ちで某国に留学しました。幸いなことに周りはフレンドリーな人達ばかりです。毎日いろんな学生が、食事や飲みに誘ってくれます。しかし、彼女は練習をしたいのです。念願の教授のクラスに入り、ピアノで成功したいという気持ちでいっぱいの彼女は、パーティやクラブに何の魅力も感じません。

学期の初め、学生達は共に知り合い、交友を深めて徐々にグループが形成されます。その時に間違った仲間に属してしまうと、実は後々面倒なことになることは、多くの先輩たちから聞いていました。

練習室で練習する彼女の携帯にメッセージが鳴り続けます。
「今日の夜、飲みに行こうよ!」「一緒に食事に行こうよ!」毎回、悪いなあと思いながらも断る彼女。それでも「全然大丈夫!また誘うよ!」と同僚たち。誘ってくれる人達は女性もいれば男性もいます。みんな、断っても気分を害することなく、「練習したい」という気持ちをリスペクトしてくれているようで、少しはホッとします。

ある日、練習を終えて練習室を出ると、ある男子生徒がいました。「おお、偶然だね!飲みに行かない?」その彼は、彼女に毎日メッセージを送ってくるうちのひとりでした。毎回断っていたのですが、さすがにこれは偶然ではなく、彼が待っていたことには間違えありません。毎日何回も断っていて、悪いなと思う反面、「もう、充分!」というゲンナリする気分がモロに彼女の顔に出てしまったそうです。「悪いな」と思う反面、「待ち伏せしてまで追いかけて来ないでよ」という気持ちです。その時の時間は夜の23時過ぎです。

すごい形相で、「悪いけれど疲れてるからもう寝たいの。それに明日、レッスンだから。本当に悪いけれど、私にはレッスンと練習が大切だから、もう誘わないでちょうだい」と言ってしまったそうです。いやあ、OKでしょう。

流石にその男性は、練習に疲れて目の下にクマがある彼女が、かなりうんざりしているのがわかったようですが、それまで数週間誘い続けているのです。すごい根性。それを自分の練習に投下すればいいのに、と思うのは余計なお世話でしょうが。

このように、誘ってくれる気持ちは嬉しいけれど、飲みに行ったりして遊ぶために留学しているんじゃないのよ、という人もいるのです。そしてそれを想像できない人もいるわけです。

それをやっと、はっきりと理解した彼は、その彼女を必要以上に追い回すことは無くなったそうです。
何が大切かというと、断る勇気を持つことはだということです。それで自分のペースが乱されてイライラすることを考えたら、はっきり告げることは重要です。お互いのために。