これはねえ、日本のようなお客様は神様です大国から来る日本人には大きなショックの出来事です。
私も、ウィーンに来て数日すぎ、ブティックのレジで店員の女性に「カバンの中身見せて」と言われた時はもう、ショックで気絶するかと思いました。これが「ウィーンでは当たり前に普通にあること」だ、と知らなかったので尚更です。
私が即座に口から出たことは、
「なぜ?なんで私があなたにカバンの中身を見せなければいけないの?そんな権利はあなたにあるの?」(半泣き)
彼女はめんどくさそうに、「早くみせて、あと詰まってるから!」
もう私は何が何だかわからず、カバンの中身を見せ、それでも悔しいので、
「残念でしたっ!何にもとってませんよーだ!!!」と捨て台詞をドイツ語で言い返したのがせめてもの抵抗だったのですが、帰ってからも悔しくて泣いたものです。外人だからバカにしてるんだわ、あーあ、やっぱりドイツにすればよかった。ここは独裁者の生まれた国だわ、なーんてさめざめと泣いたのですが、なんてことない、これは普通のルーチンなのです。外人だろうが、どんな年齢だろうが、でっかいカバンとか持ってたらまず、聞かれます。当時の私はさぞかしめんどくさい外人の若い子、と思われていた事でしょう。
今考えてみると、あの私のとったドラマ的反応、結構恥ずかしいです・・・・・。
それを知ってからは、そこの商品と同じようなものを購入した時はレシートもきっちり、すぐに見せられるようにし、入り口でキャッシャーの人に「これ、他所で買ったやつだから。これレシートね、ハイよろしく」と言って店内に入ります。
もしくは、キャッシャーで自分からカバンの中をゴーっそり見せて、レシートも出して、「はい、これ私のだからね」とやります。何の問題もありません。時短時短。キャッシャーの人たちは定期的にこれをやることを店に義務つけられているのだそうで、BIPAのキャッシャーで、「今、この商品が安いのよ、いかが?」ってやらないと怒られるのと同じです。
でも私と同じ反応を起こす外国人は多いのだと思います。特に欧州以外から来る人たち。中近東の男性やめんどくさいオーストリア人の人。「法律的には・・・」と食い下がる人も多いでしょう。なので、「あなたのカバンの中を見せてください、万引き防止の為、どうぞ協力してください!」という大きな張り紙を見ることもあります。
しかしこれ、日本人には本当にショックです。
言葉ができなかったら、なんか犯罪の疑いをかけられて、自分は今とんでもない状態にるんじゃないか、と不安になります。私も当時のことを鮮明に覚えています。忘れられない・・・
ですから、もしウィーンに来て、レジで「カバンの中身を見せて」と言われても、あまりショックを受けないようにしてください。まあ、感じの良いものではないですが、万引き件数はかなりの数で大損害なので、協力してやろう、くらいの生暖かい目で見せてあげればいいと思います。