ウィーン国立音楽大学の入試について書いてみたいと思います。
本日現在MDWに出ている情報を載せます。変更等あり得ますので、ご自分でしっかりとサーチして申し込んでください。
さて、まずは日本の「音楽大学」に当たるBachelor(バチェロア)の入試から書きます。
私が通常書くのはコンチェルト・ファッハ(Konzert Fach)演奏科についてです。教育科は別なのでお気をつけて(日本の音大の教育科と同じではありません。ドイツ語ができて、大学入学資格試験であるMaturaがないと受験資格がないので、普通の日本人留学生にはまず関係ないです)
バチェロアの期間は8ゼメスタ、1年は2ゼメスタなので、頑張れば4年で卒業できるということです。
ただし、日本の音大とは違うので、みんな一緒に仲良く入学式や卒業式があるわけではありません。必須単位をすべて習得し、きちんと卒業演奏に合格し、Arbeitという論文を仕上げて、初めて卒業となります。
コンクール等ある人はもちろん遅れるし、実際、きちんと卒業できる人は多くはありません。
卒業してもらえる資格はBachelor of Arts (BA)で、日本でいう学士号(文学士)です。
入学試験の申込期間: 2025年3月5日~2025年5月7日
入学試験の日程などは、ピアノ科(Konzertfach Klaveir)のウェブサイトからオンラインで申し込みができるようになっています。サイトはこちら
通常入試は6月に行われ、実技の前にソルフェージュ・楽典などの試験があります。
それに合格して初めて実技の試験を受けることができます。ソルフェなどのセオリーが違う時期に行われることはありません。
誤解を招くようなことは書きたくないのですが、それでも書きますと、「普通のレベルの日本の音楽大学」の入試のセオリーよりずっと簡単だと私は思います。
でもなぜか落ちる人は結構います。なぜか、ドイツ語がわからないことと、「そんな簡単な問題が出るわけはないだろう」と思ってしまうから、のようです。
入試の詳細はこちらにあるので参考にしてください。
以下、入学試験申請手続きを簡単に書きます。(学士課程 Bachelor)
– 上記のMDW Onlineで応募者アカウントを作成します。(他の学科で既にmdwOnlineアカウントをお持ちの場合は、新たに作成する必要はありません)
– アカウント内で「入学試験の申込」をクリックして、「申請入力」を選択します。その後、指示に従って手続きを進めます。申込プログラムに表示されない学科については、申込期間が終了しているか、まだ受付が開始されていない可能性があるようです。
– ドイツ語が母語でない場合は、ドイツ語能力証明を提出します。詳細は「入学試験情報」の文書にて確認すること。
– 重要: EU/EWR加盟国、スイス、リヒテンシュタイン以外の第三国の国籍をお持ちの方は、入国および滞在に関する規定を事前に確認してください。(滞在ビザのこと)
– 申込内容の確認後、試験日時についてEメールで通知されます。
– 入学試験を受験してください。写真付き身分証明書を忘れずに!
以下、ウェブサイトには書いていない大切なことを書きます。
たとえ入試で合格点を取っても、あなたを担当してくれる教授がいなければ残念ながら大学生にはなれません。
これはピアノでもヴァイオリンでもどこの楽器でも同じことです。
その為、あらかじめきちんと教授とコンタクトを取り、レッスンを受け、「合格の際にはクラスに入れてもらえる約束」をもらったほうがいいです。「取ってあげるよ」と言って、合格後、「ごめん、やっぱり無理」という話は結構あります。教授にしてみても、一回クラスに取ったら数年の付き合いになるわけですから、生徒選びは慎重になるのは当たり前です。
そして、ピアノ科でもヴァイオリンでもウェブサイトを見てもわかるように、教授数は決して多くありません。すでに枠一杯に生徒がいる場合、新規の生徒の枠が殆どない、というのは普通のことです。ですから尚更「ウィーン国立音楽大学」に入ることは難しいのです。
日本にいる様に控えめに遠慮して待っているだけでは何も降ってこないのが外国です。
自分から積極的に聞いて、行動しましょう。