ピアノを習うメリットとはところで本当のところ、何だと思います?

ピアノとヴァイオリン

*本文と全く関係ない、ウィーンのスーパーBILLAで売っているお菓子。柔らかいビスケットにカスタードが挟まっているのですが、これを冷蔵庫で冷やして食べると、美味しい!!!というのを発見してしまいました。豚のモトですが、どうぞ、お試しあれ*

さてさて、いきなりですが「ピアノを習うメリット」は何でしょう?
何のためにピアノを習っていますか?または習わさせていますか?

以前にも書きましたが、東大合格者の多くはピアノやヴァイオリンを習っていた、というエビデンスがあって、それを宣伝文句にしているお教室に親御さんが飛びつく、というパターンもあるでしょう。

親御さんが、自分の子供がピアノが弾けるようになるのを夢みて、レッスンに通わせる、というのもあるあるのパターン。お友達が習っているので、私も、僕も習いたい!と子供自身が希望することもあるでしょう。

ピアノを習うメリットとして日本でよく挙げられることの一つに、「忍耐力がつく」ということがあります。私個人としてはこれはちょっと疑問で、「忍耐力」というと=「いやだけど頑張ってやる」というイメージがあるのであまり好きではありません。
プロを目指すなら別です。彼らにとって、忍耐なんて当たり前のように必要なので、特に褒められたようなものではありません。しかし、趣味のピアノに、すんごい忍耐は要りません(と私は思う)

私の思う、ピアノを習う最高のメリットとは、ズバリこれ。

「どんな時でも人前で、何かの曲をきちんと演奏出来る」状態である事です。

忍耐がつくだの、右脳が鍛えられるとか、そんなことは付随してくっついてくるもので、本来のピアノを学ぶ目的とは「人前で演奏できる」ことなのです。作曲家だって、人前で演奏してもらうために作曲しているのですから。

9月になると学校始業式とともに、ピアノの新しい生徒がやってきます。
その時、もう、本当にこれはアルアルなのですが、2年以上ピアノを習っていた子供が、「じゃあ、何か弾いてみて」私に言われ、何かを弾こうとするのですが、楽譜が目の前にあったとしても、本当に悲しくなほど、何もまともに弾けない子供が90%なのです。

2年以上ピアノを習っていて、(ということはコンスタントにお金を払い続けていて)何も人前で弾けないって何なんですか?そのお教室に発表会がなかったとか、そんなことは言い訳になりません。指導です。

で、何が言いたいかというと、私が最も大切にしていることは、生徒たちが常に人前で演奏できる曲をいくつか持っている状態にしておく、ということなのです。

素人の親御さんは「ああ、まだ前にやった曲を弾いてる」と焦るのですが、新しい曲を習ったとしても、思い出したように昔の曲を弾かせます。なぜなら、そうしないと子供は忘れて、あっという間に弾けなくなるからです。

プロを目指す子なら、別に私がどうこう言わなくてもレパートリーを持ち続けるのは当たり前なので構わないのですが、コンスタントに数時間練習しない趣味レベルだと、教師が指導し続けないと、絶対に弾けなくなってしまうのです。

うちの生徒ちゃんたちは、別にみんながカンパネラが弾けるわけではありませんが、常にどんな時でも言われれば人前で数曲弾けます。親御さんがパーティーを開いた時、またはパーティに呼ばれた時、学校でピアノが置いてあるようなホールに行った時、学校のフェストで演奏の機会がもらえた時、小さな曲であっても、ガチャガチャのおあそび弾き方でない、誠意のあるきちんとした演奏が出来ます。これは私の自慢です。

一方、「ピアノを弾くのは私ひとりの楽しみのため。人前で弾くなんて絶対にいやよ!」とおっしゃる方は日本に多そうですが、本当にそうでしょうか?YouTubeやTwitterを見ると、プロ以外の方も沢山楽しそうにご自分の演奏をアップしています。

ピアノを習うメリットとは、人前で楽しく演奏できる、ということなのです。