複数の教授に師事する事 入試の前はやめたほうが良い、と個人的に思う、というお話

ピアノとヴァイオリン

いつか、「複数の指導者に習うこと」について書いたと思いますが、今日は特化して
「音楽大学の入学試験をひかえて」ということで書いてみたいと思います。

もちろん私が住んでいるのは欧州なので、日本のことではありません。日本の現在の事情を知りませんが、多分、というか絶対に御法度だと想像します。

さて、どうしてこれを今日書くかというと、ある学生さん、多分数年後に某音楽大学入試を受ける人から相談を受けたからです。日本人ではありません(いちいち書くのも面倒ですが、誤解する人もいるので)

その学生さんは、現在教えていただいているA教授がいますが、その先生に空き席がないために合格したらB教授のクラスに入れてもらうことになっています。

しかし、この夏、同じ音大で教えるC教授のマスタークラスに行きたいのだけれど、という相談がありました。答えはNoです。

彼が私に聞いてくれて本当に良かったと思います。なぜなら、彼は全く悪気がなくて「どの教授が自分にとって本当に良いか」模索中、気持ちもよくわかります。

しかしながら、今は「入試に合格する事」が彼にとって何よりも大切なはずです。

もし、C教授のマスタークラスや個人レッスンに行ったら、A教授は面白くないに決まっています。B教授にしたって、「別にプライベートレッスンに通ってくるわけでもないし、自分にとって別に特にならないのに自分のクラスに入れてあげるって言ってあげているのに、よそのマスタークラスに行くわけ?なにそれ?」となります。

そしてC教授はきっと最後まできちんと面倒を見てくれないだろうなあ、と想像もしました。

全ての私の意見を彼に逐一言いたくもないので「どうしても行きたいのならば、A教授に言ってから行く方がいいわね。でも、それによって、入試にとって不利になる可能性はあるかもね。よく考えて行動したら良いよー。」という風に伝えました。

基本、好きにすれば良いのです。

その子がとても上手であるのであれば、どこの教授に行ったって大歓迎されます。
教授たちがきっと取り合うことでしょう。

でも、私が「うーん、」と思う理由は、その人が別に、特にうまくはないからです(失礼)
入試だって、まあ、教授が助けてくれれば合格するだろうけれど、教授の助けなしで受けたら、かなりの確実で20位以内には入れない、すなわち不合格になる確率が高そうな子だからです。

まずは目的を定めることが大切です。
入試の前には多くの先生に習うことはあまりおすすめできません。